女子
2016.10.17
【現地リポ】女子日本選抜がアジア制覇! 稲田HC「意識高いチーム目指す」
女子アジアセブンズシリーズ2016のファイナルラウンド、スリランカ大会は、最終日の10月16日に順位決定戦がおこなわれ、女子日本選抜はカップ決勝で中国代表を17−5で下し、優勝した。これで日本は今シリーズ2冠目となり、総合優勝も決めた。
前日、女子タイ代表に不覚を取った女子日本選抜は、敗戦のショックから立て直すべく、この日チームに掲げられたのは2つの方針。
1.攻撃時は連続トライを狙うこと。
2.防御前に上がり、相手スペースを奪ってターンオーバーにつなげること。
攻守いずれの方針もチームの連携が不可欠な戦術だ。
攻撃面で連続トライを目指した女子日本選抜は、初日から調子を上げてきた末結希がジャパンボールのキックオフをキャッチした中国選手に激しく当たる。これで勢いがつくと、続くスクラムでマテイトンガ・ボギドゥラウマイナダヴェらが強力プッシュでボールを奪い、堤ほの花が今大会首位独走となる9トライ目を挙げて先制。そして前半5分にはキャプテンの山中美緒が判断良く裏に出て、最後は桑井亜乃が大きなストライドで左隅に走り込み、トライ。連続得点で10−0とした。
防御では、桑井のトライ直後の前半6分に中国代表に突破されゴール前に攻め込まれるなか、さらに攻守のキーとなる中村知春がシンビンとなり6人で守り続ける苦しい状況となった。
しかし、ここは山中キャプテンを筆頭に6人の選手たちが素早いリロードを繰り返して相手ラックにプレッシャーをかけ続け、逆に中国代表がペナルティを犯しピンチを切り抜けた。
後半に入っても積極的に前に出続けた女子日本選抜は、清水麻有のトライで突き放し、中国の反撃も1トライに抑えてノーサイド。
予選プールでの敗戦から、見事に決勝トーナメントを勝ち上がり、優勝を果たした。
■稲田仁ヘッドコーチ コメント
ここスリランカで2年連続でアジアチャンピオンを決めることができた。関係者、そして現地で応援して下さった皆さんに感謝したい。
今大会を迎えるにあたってキープ・ザ・ボールをスローガンに戦い、最終日に実践できた。3年かけてアジアチャンピオンのチームを作り上げてきたが、アジアの他チームも実力を上げてきていて、気を許せば一気に落ちる。どんな相手でも常に全力を出し切れる意識の高いチームを目指して、選手、スタッフ共に取り組んでいく。
■山中美緒キャプテン コメント
チームとして目指していたアジアシリーズ優勝が果たせて良かった。昨日、タイ代表に敗れてから、メンバーで何が足りないのかを話し合い、みんなでもっと自分にベクトルを向けようと。一人一人が責任感を持って体を張り、守り続けることができた。個人としては判断力を磨くことで、もっとチームに貢献したい。
■堤ほの花 コメント
(大会トライ王は)みんなが必死につないでくれたボールを最後にトライラインへ運んだだけ。今回、タックルで倒し切れないシーンがあった。フィジカルを強化してもっとディフェンス力を上げたい。
■長田いろは コメント
初のアジアシリーズはとても暑く、試合でもこれまでにない緊張感を感じた。特に準決勝の香港戦は緊張が張りつめて、とても良い経験になった。自分の持ち味は突破すること。どんどん積極的にゲインできるようスキルを上げていきたい。
(取材・文/南大庸)
2020年東京オリンピックでのメダル獲得へ向け、着実に力をつけていきたい(撮影:南大庸)