海外 2016.10.13

富川北高が大会連覇に近づく 韓国国体・高校準決勝

富川北高が大会連覇に近づく 韓国国体・高校準決勝
好敵手同士は最後まで譲らなかった。青ジャージーが富川北高(撮影:見明亨徳)
 韓国の国体にあたる「第97回全国体育大会」ラグビー競技が忠清南道禮山郡(イェサン)で開催中だ。10月12日、高校の準決勝がおこなわれ、大会連覇を目指す富川北高(プチョンプック)が昨年の決勝戦の相手であるソウル大附属高との接戦を12−7で制し(昨年は36−12)、覇権に近づいた。もう1試合はミョンソク高が試合終盤、最後の攻撃で劇的なトライを奪い、42−38で仁川機械工業高を破った。ミョンソクは全国大会の初優勝をかけて13日の決勝に挑む。
 富川北高とソウル大附属高のライバル対決は、お互いにキックとパスをまじえて小気味よいアタックをくり返すも、得点を奪えなかった。
 スコアが動いたのは前半30分、富川がソウル陣内22メートルの外側(右より)でスクラムを得ると、順目に回し、さらに右へ展開、WTBチョン・ウィチャンが右中間へトライを決めた。ゴールキック成功で7−0とする。 しかしソウルも負けていない。35分に自陣のマイボールスクラムからWTBヨン・スンウへ渡ると、ヨンがトライラインを駆け抜けた。ゴールも決まり7−7の同点で前半を終えた。
 後半も気持ちが入った攻守を繰り返す。7分、富川がスクラムから回しSOチョン・インスが右隅へ飛び込み差をつけた(12−7)。この後はお互い譲らず、ノーサイドを迎えた。
 ミョンソク高と仁川機械工業戦は終盤に動いた。前半から常に仁川がリードし、ミョンソクが追いかけた。後半、ノーホイッスルで仁川のHOクム・サンヒョンがトライ。さらに4分と連続トライし、26−14とリードを広げる。
 15分にミョンソク、23分は仁川、27分に再びミョンソクとトライが生まれ、33−28となった。迫られた仁川が31分にゴール前の反則を得て、BKがトライで38−28と10点差となった。
 しかし、ここからミョンソクは諦めなかった。
 5分後、WTB金ミンソクが中央に飛び込み7点を加え、35−38へ。そして最後の攻撃、リスタートのボールをミョンソクは自陣からつなぎ切り、BKをフォローしたFLユ・ギジュンが逆転のファイブポインターとなった。仁川は10点差リードに安心したか。
 ミョンソクの金泳男(キム・ヨンナム、元クボタLO)FWコーチは「選手は最後まで頑張ってくれた。強みのFWのセットプレーでトライを奪えた。初優勝したい」と興奮気味に話した。
 高校準決勝の終了後、韓国を訪問中の在日選抜チームが親善試合最終戦を延世大とおこなった。試合は延世が体力を生かして前進し、大学1、2年生主体の在日選抜を48−7で下した。在日選抜は初戦の高麗大戦(22−62)に続き連敗で遠征を終えた。
 呉英吉監督(前大阪朝鮮高監督)は「純粋なラグビー交流ができればいい。ラグビーに向き合う姿勢を韓国の選手に伝えれば。でもイケイケの韓国ラグビーに負けて悔しい」と語った。
(文:見明亨徳)

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ミョンソク高は最後まで諦めなかった。後半27分にトライ(撮影:見明亨徳)

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ミョンソクの金コーチが選手を見つめる(撮影:見明亨徳)

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ラグビー交流を果たした在日選抜チーム(撮影:見明亨徳)

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