国内 2016.10.10

圧巻の東海大、法大から78得点、完封で4連勝。スタイル明確!

圧巻の東海大、法大から78得点、完封で4連勝。スタイル明確!
終盤はWTBとしてスピードを活かした東海大SH湯本(撮影:矢野寿明)
 関東大学リーグ戦1部は10日、東京・八王子市の上柚木競技場で2試合が組まれ、東海大が法大から12トライ78得点、完封で4連勝とした。また、中大は日大との緊迫した消耗戦を36−14で制して3勝目を挙げた。
 スクラムはほとんど押した。攻撃では相手防御に厳しく接近してパスを出す。さまざまなオプションを駆使して、防御を翻弄した結果の12トライ。東海大・木村季由監督は、「前の試合で雑になった部分があったので、もう一度、自分たちのスタンダードは何か。そこに立ち戻った。丁寧にプレーした結果です」と話す。
 東海大SH湯本睦は圧倒的な瞬間スピードを活かすだけでなく、パスの選択も揺るがない。今季から司令塔を任されるSO伊藤龍之介は「自分よりも周囲がトライした方がうれしい」とフォア・ザ・チームに徹する。湯本のスピードにも素早く反応して、相手との間合いを詰めてパスを出す。この狂いが少なかったのは、チームを乗せた理由のひとつ。
 その接近戦で光ったのは鹿尾貫太、池田悠希のCTBコンビ。3トライを挙げた鹿尾はスペースに走り込む素早い判断、また外を使うパスなどで光るだけでなく、3トライも挙げる。池田は力強さを増し、倒れないプレーぶりも成長をうかがわせ、得意のオフロードも今後さらに活きそう。法大・谷崎重幸監督は「ゲインラインのバトルで負けた」と振り返るように、フロントスリーの仕掛けが随所に光った。
 そして、圧倒的な差を示したスクラムは大きな強みに。今季トップリーグでも主導権を握ることの多いスクラム戦だが、大学では最も破壊力を持つことを証明している。マイボールは押し込んで反則を得ると、相手ボールにも猛プッシュしてSH湯本が素早くボールを狙う。「そこは自信を持つ部分だけに、しつこく、繰り返す」と木村監督。対帝京大戦を見据えれば、ここは昨年以上の手応えに違いない。
 後半、昨年度高校日本代表主将の眞野泰地がSOで途中出場。本来のFLではなく、中学時代に経験のあるSOとしての出場だった。「ディフェンスは計算できるので、あとは経験」と木村監督。相手の陣形を察知してのキック、周囲とのコミュニケーションなど、非凡なものを感じさせた。
 この試合前に行われた中大対日大は前半を15−14と中大が1点をリードして折り返すと、後半も中大が敵陣でゲームを進めた。しかし、得点機を再三逸する展開が続き、嫌な雰囲気となったが、これを払拭したのが、後半9分に途中出場したSH住吉藍好。そのスピードと判断の素早さでチームを前に出すと、そこから自身ハットトリックの活躍を見せる。
「自分とFW、自分とSOがコミュニケーションを取れていれば、チームは動く。流れを変えられてよかった」と住吉。緊迫した嫌な展開を払拭する30分間だった。
(文:福田達)

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勝利を呼び込んだ中大・SH住吉のサイド攻撃(撮影:矢野寿明)

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