海外 2016.10.10

豪州国内選手権、4強決まる。NSWカントリー・イーグルス、首位で決戦へ。

豪州国内選手権、4強決まる。NSWカントリー・イーグルス、首位で決戦へ。
大接戦となったNSWカントリー・イーグルス×ウエスタンシドニー・ラムズ。写真はイーグルスのデビッド・ホーウィッツ。(撮影/YASU TAKAHASHI)
 今季で創設3年目のオーストラリアの国内大会、NRC(ナショナル・ラグビー・チャンピオンシップ/National Rugby Championship)のシーズンが深まっている。このコンペティションは、ニュージーランドでおこなわれているMitre 10 CUP(NZ国内州対抗選手権)同様、クラブラグビーとスーパーラグビーの間に位置するものだ。選手層の薄さを指摘され続けてきた豪州ラグビーにとっては、その悩みを解消してくれるものとして期待されている。
 また同選手権では開始当初より、トライ=6点、ペナルティゴール(PG)=2点というポイントシステムが採用されている。そのためいずれのチームも序盤からPGで得点を重ねるようなことはなく、果敢にトライを狙いにいくゲームプランで戦い、そこがファンにとっては魅力だ。スパーラグビー、またはワラビーズの予備軍たちが、のびのびとパフォーマンスを披露している。
 開幕から5連勝と走ったNSWカントリー・イーグルスは、第6節でその勢いを止められた。オールブラックスのレジェンド、LOのブラッド・ソーン(41歳)が現役復帰したQLDカントリーに今季初黒星を喫したのだ(38-40/10月1日)。
 しかし準決勝進出をすでに決めていたイーグルスは、最終節(第7節)のウエスタンシドニー・ラムズ戦に勝ってレギュラーシーズンを終えた(10月8日)。序盤はウィル・スケルトン(ワラターズ/ワラビーズ)を中心としたラムズの強力FWがスクラムトライを奪うなど圧倒したが、イーグルスはBKで対抗した。デビッド・ホーウィッツ(ワラターズ)、カイル・ゴッドウィン(ブランビーズ)のCTBコンビがラムズのディフェンスラインをこじ開けると、リース・ロビンソン(WTB/ワラターズ)、アンドリュー・ケラウェイ(FB/ワラターズ)といった快足ランナーが躍動し、一気に得点までつなげた。最終的に両チーム6トライずつの互角の戦いとなったものの、コンバージョンの差でイーグルスが勝利(44-40)。最終節を白星で飾り、8チームによる総当たり戦を6勝1敗の1位で通過してファイナルラウンドに駒を進めた。
 他会場では、準決勝進出をかけてパース・スピリットとキャンベラ・バイキングスが激突。このゲームも5トライずつと互角の戦いとなったが、1PGを含むすべてのキックを成功させたパース・スピリットが42-36で競り勝った。過去2大会連覇のブリスベン・シティは、QLDカントリーとのローカルダービーを58-52で制するも最終順位は7位。3連覇とはならなかった。
 10月15日〜16日におこなわれるセミファイナルの組み合わせは、NSWカントリー・イーグルス×メルボルン・ライジング、シドニー・レイズ× パース・スピリット。その勝者同士が10月22日(土)に激突し、今シーズンの王者が決まる。
(文/YASU TAKAHASHI) 
■レギュラーシーズン最終節(第7節)結果
NSWカントリー・イーグルス 44-40 ウェスタンシドニー・ラムズ
パース・スピリッツ 42-36 キャンベラ・バイキング
シドニー・レイズ 38-32 メルボルン・ライジング
ブリスベン・シティ 58-52 QLDカントリー
■レギュラーシーズン最終順位
NSWカントリー・イーグルス 28ポイント
シドニー・レイズ 27ポイント
パース・スピリット 22ポイント
メルボルン・ライジング 16ポイント
キャンベラ・バイキングス 15ポイント
ウェスタンシドニー・ラムズ 13ポイント
ブリスベン・シティ 9ポイント
QLDカントリー 7ポイント
■準決勝
10月15日(土) NSWカントリー・イーグルス×メルボルン・ライジング
 
10月16日(日) シドニー・レイズ×パース・スピリット
 
■決勝 10月22日(土)

PICK UP