国内 2016.09.09

日本代表入り熱望! サントリー新加入のカーペンター、今季初先発へ。

日本代表入り熱望! サントリー新加入のカーペンター、今季初先発へ。
リオ五輪でパートナーを応援していたときのデレック・カーペンター(撮影:BBM)
 サイドを刈り上げてトップの長髪を後方で束ねるヘアスタイル、上腕を覆うタトゥが印象的だ。昨今、この国の楕円球界で人気を集めたデレック・カーペンターが、久しぶりに芝へ立つ。
 9月10日、東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれる日本最高峰トップリーグの第3節で、サントリー移籍後初先発を果たす。メンバー発表から2日前の練習時、すでに主力チームへ加わって連携を確認。「チャンスがあるとすれば、自分の仕事をやりたい」。1勝1敗のリコーを相手に、開幕3連勝を目指す。
「1週間、しっかりとしたプロセスで準備をする。試合になれば、しっかりとプレーする…。サントリーは、自分のベストな状態を引き出してくれるチームだと思っています。自分のラグビーを成長させてくれる」
 前年度までトヨタ自動車に在籍したカーペンターは今季、国際リーグのスーパーラグビーでデビューを飾った。「機会を活かして結果を出す。それができてよかった」。日本から初参戦するサンウルブズの一員として、シーズン途中からレギュラーの座を勝ち取る。
 身長183センチ、体重94キロ。CTBを務める。より大きな選手とのマッチアップも課されるなか、鋭い出足で攻防戦へ突入した。アウトサイドCTBに入った際の大外からの飛び出しで、しばし相手の攻めの選択肢を削除。母国ニュージーランドではビッグチャンスをつかめずにいたが、「サンウルブズのシーズンを通して、どんどん自分がインターナショナルレベルでやれるという自信がついてきた」と笑う。
 サントリーへ移籍した真の理由を問われるなか、こんな宣言もしたのである。
「サントリーの基準、スタンダードは最もインターナショナルに近い。これで日本に来て3シーズン目。日本代表や、それに準ずるメンバーになるのが目標です」
 国際統括団体のワールドラグビーが定めた現行ルール下では、他国代表およびそれに準ずるチームに選ばれたことのないプレーヤーは、国内居住3年を過ぎればその国の代表になれる。
 スーパーラグビー初年度は1勝13敗1分と苦しんだサンウルブズで成功体験を積んだカーペンターは、ジャパンのジャージィも虎視眈々と狙う。来季以降のサンウルブズでのプレーについても、「ある、かもしれません」。明言を避けながらも意欲的だ。
 今秋就任のジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチの名に触れると、「彼はすごく賢い人なので、僕がこのサントリーやサンウルブズでプレーしていれば…わかってくれると思います」とも続ける。
 今夏はリオデジャネイロ五輪で、パートナーである女子7人制ニュージーランド代表のフリアナ・マニュエルさんを応援した。
「いい雰囲気でした。2番目に応援していたのは、日本のチームでしたよ」
 サンウルブズファン待望の報せは、訪れるだろうか。
(文:向 風見也)

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