国内 2016.08.01

クボタの新主将・立川理道、日本代表でもリーダー格に。厳しさと大らかさを。

クボタの新主将・立川理道、日本代表でもリーダー格に。厳しさと大らかさを。
クボタの新キャプテンに就任した立川理道(撮影:松本かおり)
 
 日本最高峰のトップリーグで昨季は16チーム中12位と低迷したクボタは、新主将を擁立した。フラン・ルディケ新ヘッドコーチに指名されたのは、日本代表として昨秋のワールドカップイングランド大会に出場した立川理道。最近は国際舞台でもリーダーシップを取り、その才覚が注目されている。
「日本代表の意識、伝統のすべてを教えて欲しい」
 3つのテストマッチ(国際間の真剣勝負)が組まれた6月、マーク・ハメット ヘッドコーチ(HC)代行にこう伝えられた。
 ハメットがHCを務めるサンウルブズでもゲーム主将を任され、ワールドカップ後初の日本代表でも副将に就任。現地時間11日にバンクーバーでおこなわれたカナダ代表戦ではゲーム主将を務めていた。
「チームがひとつになるために、コミュニケーションを取らないといけない。練習、普段の生活のなかでも、1人ひとりの個性をわかっていく…」
 当時、自らのリーダーシップについてこう語っている。
「そうでないと、試合でいいプレーはできないと思います。その大事さについては、他のリーダー陣に話していきたいです」
 2012、13年に日本代表の主将を務めた廣瀬俊朗(引退)は、メンバーの思いを引き出しながらチームを作る人だった。ワールドカップ後も会う機会を設けるなど廣瀬と親交の深かった立川も、双方向型のチーム作りを志向しているようだ。
「主将だから頂上にいるという感覚は、いまの僕にはなくて。他のリーダー格の人に助けてもらいながら、失敗を恐れずにいろんなことにチャレンジしたいです」
 昨季はワールドカップから帰国後、目の手術などでクボタへの合流が遅れた。その間、トップリーグでは連敗を重ねた。煮え切らぬチーム状況にあって、先輩選手に檄を飛ばしたのが立川だった。
 復帰4戦目の第6節では、2連覇中のパナソニックの守備陣形を徹底分析。キックオフで身長201センチのFLグラント・ハッティングに競り合わせるなど、奇襲作戦を落とし込んだ。27−30と競り負けたが、前半は24−9と大量リードしていた。
 人の志を引き出す大らかさと人を引き締める厳しさ。そのメリハリが期待される。
「自分にフォーカスを当てているだけではなく、いろんなところを気にかけなきゃならない。ミーティング1つにとっても、コーチ陣がしゃべった後に自分が同じ話をしてもいけないですし、試合の前に皆に話すことも、考えないとだめ。皆のことを考える時間も多くて、責任も重くて…」
 インサイドCTBをベストポジションだと再確認したサンウルブズのツアー中には、こうも考えを明かしていた。2019年のワールドカップ日本大会に向け、脱皮の時期を過ごしている。
(文:向 風見也)

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