海外 2016.05.22

「同窓対決」はホームに軍配。五郎丸、負傷退場もチームは白星

「同窓対決」はホームに軍配。五郎丸、負傷退場もチームは白星
サンウルブズ戦で10得点を挙げたレッズの五郎丸歩(撮影:?塩隆)
 昨年秋に開催されたワールドカップ(W杯)で日本ラグビーの歴史を変えた選手たちが7か月後、スーパーラグビーの大舞台でそれぞれの成長を確かめ合った。 
 ブリスベンにあるサンコープスタジアムで行われたレッズ対サンウルブズの一戦は、同競技場今季最多の19,073人の観客を集め、35−25でレッズが勝利した。
 前半5分、レッズFB五郎丸歩のPGで先制した一戦。サンウルブズは開始早々のファーストスクラムで圧倒され、大差も懸念されたが、その後立ち直り、終盤まで接戦に。後半16分にはFLリアキ・モリのトライで25−25の同点に追いついたが、終盤に引き離された。
 2勝目を挙げられなかったサンウルブズ。試合後の会見に臨んだ選手たちにあったのは、単なる敗北感だけではかった。
 3年前、メルボルンにあるレベルズに加入、日本人選手の海外挑戦の先鞭をつけた堀江翔太主将が振り返った。
「何年か前なら、こういうこと(日本人同士の対戦)は絶対ありえなかった。でも実際にあるんやなと」
 ゲームキャプテンを務めた立川理道も、相手チームの五郎丸の変化を聞かれ、こう答えた。
「大きな変化はなかった。キックのルーティンが短くなったくらいかな(笑)」
 その五郎丸は試合で2PG2コンバージョンを決め自己最高の10点を挙げたが、後半16分、リアキ・モリのトライを阻止に行った際、右肩を痛めて退場した。その瞬間は地面に倒れ、しばらくは起き上がれなかったが、試合後の会見には首脳陣と出席した。肩の様子を聞かれるたび、笑顔で「ノープロブレム」。見かねたニック・スタイルズ ヘッドコーチ代行がマイクをとって、日本語で「モンダイナイデショ」と助け船を出す場面もあった。
「15番を着けてサンウルブズと試合ができて嬉しかった」(五郎丸)
 五郎丸のレッズ入団時から注目されていた一戦。シーズン半ばには試合メンバーから外れたこともあっただけに、プレッシャーもあったはずだ。残念ながらフル出場はできなかったものの、その言葉は人一倍責任感の強い男の偽らざる本音だろう。
(文:森本優子)

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