各国代表
2016.05.17
「母国のために」 在日韓国人3選手が登場。香港戦
写真左からLO南、WTB李、PR鄭(撮影:見明亨徳)
アジアラグビーチャンピオンシップ韓国代表。
第3節の対香港戦は(5月14日、韓国・仁川市南洞アジアドラグビー場)、27−34で敗れ 2連敗となった。
試合には初めて韓国代表に選ばれた在日3選手がメンバー入りした。
先発は左PRに在日選手で2キャップ目となった鄭貴弘(チョン・キホン/大阪朝高−京産大−近鉄−2015年度まで釜石SW)。左WTBは初キャップとなった李修平(リ・スピョン/大阪・日新高−大体大−六甲クラブ−マツダ)。リザーブでLO南宗成(ナム・ジョンソン/大阪朝高−明大−マツダ)。
PR鄭は、この試合、スクラムを押し続け香港ボールを奪い、トライへつなげるなどの働きを見せた。
「今日は、せっかく韓国がブレイクダウンでターンオーバーしても次にどうするのか? アンストラクチャーの状況で、選手たちは外にボールを回すという決め事しかまだできない。せっかくインサイドに隙ができているのにそこを突こうとしない。状況に応じたプレーをしないと」と話した。
WTB李は、初めての代表戦。複雑な思いで韓国国歌を聞いた。
「(自分たちは)日本では韓国人、韓国に来ると日本人と言われることもある。その中でどれだけできるか? 今日のキーワードは『ネクストアップ』。次に何をするか? だった。ミスをしても次に修正していく。自分なりにはできたところもあった」と、緊張の中、戦った胸の内を明かした。
LO南は日本戦に次ぐ連敗に「悔しかった。負けたのは自分たちのミス」と反省した。
韓国は次戦、5月21日、同じ会場に初戦を0−85で大敗した日本を迎える。
李は「(在日選手で日本代表FL)金正奎との戦いが楽しみ」と答えた。
その李、観客席には日本から両親(父・李英明さん、母・金有里子さん)が訪れ、息子の韓国代表デビューを見守った。「感無量でした」と両親。
大韓ラグビー協会が門を開いた代表選手への道は、在日選手にとり新たな目標となった。
(文:見明亨徳)
WTB李は両親が日本から応援にかけつけた(撮影:見明亨徳)