セブンズ 2016.04.03

韓国7人制代表監督 「香港では自信をもって戦い自信をつけて帰って来る」

韓国7人制代表監督 「香港では自信をもって戦い自信をつけて帰って来る」
(韓国男子7人制代表のウォルターズ新監督)
 4月8日〜10日におこなわれる「HSBC ワールドラグビー セブンズシリーズ 2016 香港セブンズ」に公式招待された韓国男子7人制代表。指揮官となったニュージーランド出身のジョン・ウォルターズ氏(44歳)とキーマンとなる選手2名が、今回、ラグビーマガジンのインタビューに応じた。香港セブンズへの期待、そして6月に行われるリオデジャネイロ五輪世界最終予選に臨む胸の内を聞いた。
 まずはウォルターズ監督から。
―韓国ラグビーに対して、以前はどういう印象を持っていたか?
「2007-08年に香港代表の監督(15人制)として対戦した。そのときは、大きな可能性を持っている選手たちがいると感じた。可能性というのは一番に体が大きいこと。体格が良かった」
―教えてみての印象は?
「選手たちと一緒にいるとラグビーを学んで成長・発展したいという気持ちが高いことが分かった」
―3月中旬の練習開始、初めにしたことは?
「選手一人一人の良い特長を話して、吸収して欲しいと伝えた。彼らは一生懸命に取り組んでいる。個人の特長を伸ばし、チームへ還元し、全体として向上したいと思う。選手たちは、もともとラグビーに対して高い知識を持っていたので吸収できている」
―具体的に、セブンズではどういう戦い方をするのか?
「戦術は、たくさんある。今はシークレット。選手には彼らが理解できるように分かりやすいことを順に教えている。攻撃は個人のスキルに合わせて方法を考えている。組織プレーもあるが、個人スキルが中心になるだろう」
―中心選手は?
「主将の金ヨンスだ。国際大会でも体の大きな相手に委縮せずにプレーできる。能力を発揮できる選手」
―香港セブンズで韓国代表の目的は?
「大きな世界大会。自信を持って臨み戦い、自信をつけて帰って来る」
―6月にはリオデジャネイロ五輪の世界最終予選がある。
「香港セブンズで3週間、その後はアジアチャンピオンシップ(15人制)がある。終わってから最終予選の準備をすることになる。その間に選手たちの能力、特にラグビーへの理解力を見て選手選考を行いたい。ただし大きな目標を優先するのではなく、今は1試合1試合で最善を尽くすことが大事だ。1つずつ経験を積み重ねていきたい。五輪出場を目指すのは当然。最終予選は遊びに行くのではない」
 大韓ラグビー協会によると、アジアチャンピオンシップを戦う15人制代表監督もウォルターズ氏が兼任する予定という(発表は4月12日以降)。当初は、2003年から2008年度シーズンまで福岡サニックスブルース(現・宗像サニックス)で6年間プレーしたNO8のディオン・ミュア氏(42歳)が就任するとされていた。ミュア氏はFWコーチになるという。ウォルターズ氏は2012-2013年にベイ・オブ・プレンティの7人制ヘッドコーチ。2013-2014年はワイカト代表ヘッドコーチを歴任。2014年は日本のNTTドコモレッドハリケーンズ、昨年は帝京大でBKスポットコーチを務めるなど日本ラグビーにも理解がある。
 続いてキーマンとなる司令塔の呉潤衡(オ・ユンヒョン、韓国電力。31歳)と、トライゲッターの張成民(チャン・ソンミン、尚武/軍体育部隊-高麗大。23歳)に聞いた。
―ウォルターズ監督の指導は?
呉「新しいプレーを教えることよりも基本的な技術を大切に教えてくれる。メンタル面でも世界で勝てる自信をつけてくれている」
張「精神面の指導が嬉しい。世界で戦える自信が持てる」
―監督は戦い方について個人のスキルに合わせて考えていくと話していたが
呉「当然チームでやる競技だからチームプレーが大事。最初に個人の特長を話してくれたので、そこを極めてチームに貢献する」
―具体的に監督が指摘した特長は?
呉「(31歳になって)経験が若い選手に比べて高い。若い選手たちにその経験を伝え、試合中にも場面、場面で修正していくこと」
張「オフロードパスが優れていると言われた。スピードをいかした突破を期待されている」
―香港では、その特長を披露してくれるか?
呉/張「そのために練習に取り組んでいる。お見せできる」
―これまでと違う指導はあるか?
呉「これまで韓国の監督は、ボールを持ったら体の大きな相手に対してぶつからずにかわしていくことを求めていた。ウォルターズ監督は、当たっていくことを求めている。体力面でも自信を持つようにと」
張「今までよりも体格の良い選手を選んでいると思う」
―香港で対戦したい相手国は?
張「ニュージーランドかフィジー。同じプールにフィジーがいて対戦できることは幸せ」
呉「フィジーと当たれて光栄」
―6月にリオデジャネイロ五輪最終予選、どう臨むか?
張「自信がある」
呉「現在、ケガをしている選手(チョン・ヨンシク)なども戻って来る。リオで会いましょう」
(取材:見明亨徳)

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張(左)、呉も戦う自信をつけている

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