ヘスケス走る! 宗像サニックスがトップチャレンジ1で2勝目。
WTBカーン・ヘスケス。きょうも沸かせた。(撮影/松本かおり)
トップリーグ下位4チームとの入替戦へ出場するチームが参加するトップチャレンジ1の第2節が秩父宮ラグビー場でおこなわれた(1月16日)。九州対決となった宗像サニックス(トップキュウシュウ1位)と九州電力(トップチャレンジ2/1位)の第1試合は61-14。宗像サニックスが完勝して同シリーズ2勝となり、トップチャレンジ1での1位にグッと近づいた。
上々の立ち上がりを見せた。開始1分過ぎ、スクラムから左に展開する。CTBロビンス ブライスがSO田代宙士とのクロスから抜けだして先制トライ。ロビンスは、その5分後にも(PKからの田代の速攻をきっかけに)トライを決め、早々に試合の流れを掴む活躍だった(14-0)。宗像サニックスは前半だけで5トライを挙げ35-0と大きくリード。ブレイクダウンを優勢に戦い、屋宜ベンジャミンレイ、この日先発のカーン・ヘスケスと、両WTBが仕留めた。
今シーズン3度目の対決。九州での戦いでは2試合ともトライを与えることなく勝った(38-9と69-0)。そして前半だけで35点のリード。宗像サニックスに「中だるみ」(藤井雄一郎監督)が訪れたのは後半開始の20分だった。「ミスやフィフティーフィフティーのパスが重なって」(FL田村衛土主将)、九州電力に2トライを返された。「過去2戦の反省を活かし、準備してきたものを出せた部分もあった」(九電・瓜生丈治監督)と言うように相手の好プレーもあったが、キッカケを与えたのは自分たちの乱れからだった。
後半20分過ぎから4トライを重ね、最終的に大きく突き放したことを田村主将は「もう一度自分たちの流れを掴み返せたのはよかった」と言ったが、2週間後の決戦では一瞬の緩みが命取りになる。主将は「プレーヤーとしては毎試合100パーセントを出し切っているつもりだが、まだ成長できるところもある」という言葉で、この先もっと高めて1月30日の入替戦に挑む決意を示した。
試合後、藤井監督は「サインプレーを使わず、基本的なプレーで勝つことにフォーカスし、5ポイント(勝ち点)を挙げられてよかった」と語った。スタンドにはトップリーグ下位チームのスタッフたちもいた。手の内を見せずに快勝できたことを評価し、次戦(対1月24日/対 大阪府警察/トップウェスト1位)では80分乱れることなく戦い抜きたいと口にした。
勝者は九電の中?憲章主将が言ったように、FWが細かなパスをつないで前に出る工夫でディフェンスに的を絞らせず前進し、ブレイクダウンでスムーズに球を出した。その先のアタックも重層的でボールはよく動き、セットプレーがもっと安定すれば、攻撃力はさらに高まりそうだ。
第2試合では、三菱重工相模原が大阪府警察を54-19で破り、今シリーズ初勝利を挙げた。「どっちが勝ったか分からないぐらい疲れましたが、前週の負けを引きずらず、自分たちに矢印を向けて準備してきた結果が出た」と佐藤喬輔監督は話した。
(撮影/松本かおり)