国内 2016.01.02

帝京大は守備で乱れるも丁寧さを意識。7連覇へ「全てがチャンスファクター」

帝京大は守備で乱れるも丁寧さを意識。7連覇へ「全てがチャンスファクター」
開始早々に先制トライを挙げた帝京大のHO堀越康介(撮影:松本かおり)
<全国大学選手権大会 準決勝>
帝京大(関東対抗戦A・1位) 68-33 大東文化大(関東リーグ戦1部・4位)
(2016年1月2日/東京・秩父宮ラグビー場)
 大学選手権7連覇を狙う帝京大は、大味な試合でも丁寧さを心掛けた。
 14点リードの後半16分、敵陣ゴール前。右中間でSO松田力也が作ったラックの脇を、LO飯野晃司が地を這い直進する。「前を見てアタックを」との意識で、相手の目を引く。フェーズが重なる。
 最後に守備網の凸凹を突いたのは、WTB竹山晃暉。この日に決めた4本中2本目のトライを生んだ。ゴール成功と相まって、47-26とする。
 16季ぶりに4強入りの大東大は、SH小山大輝いわく「前に出られて、誰をノミネート(マーク)しているのかわからなくなった」。その過程で示された相手の接点での下働きにも「上手い。ちゃんとこちらを掃除していた」と舌を巻いた。
 王者としては、不満足な試合内容だったろう。
 守備連携の乱れに大東大のNO8アマト・ファカタヴァら大砲の発砲が重なり、33失点を喫した。
 しかし岩出雅之監督は、8日後の決勝戦を見据え「(課題も)チャンスファクター。このチームにはストレスがあった方がいい」と落ち着いた談話を並べる。守備の課題については「来季に向けて反省はしますが、決勝に向けては…十分です」。
 さかのぼって11月29日、筑波大戦を落とした。3季ぶりとなる学生相手の敗北を受け、接点でのプレー精度を再確認。相手が反則に近い動きをしようとも、「そういうプレーも掃いていきたい」とLO飯野は言う。「1強」と謳われるなか内なる緊迫感を高め、7連覇を目指す。決勝での相手は、それこそ接点でしぶとい東海大だ。
(文:向 風見也)

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