五輪出場権、ファイナルに持ち越し。サクラセブンズ、カザフスタンに敗れる。
顔を上げてファイナルに向かう。(撮影/松本かおり)
勝ちたい気持ちの強さは、相手も負けていなかった。
11月29日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれたリオ五輪女子ラグビー アジア予選第2戦、日本大会の第2日。サクラセブンズ(女子セブンズ日本代表)は『勝てば五輪出場決定』だったこの日の2試合目(前日から通算5試合目)、対カザフスタンに5-7で敗れた。歴史的瞬間は、16時15分キックオフでおこなわれる決勝戦に持ち越された。
ラインアウトで3回続けてミスが出るなど、立ち上がり動きの硬かったサクラセブンズ。フィールドプレーでもハンドリングエラーとペナルティーが相次ぎ、いつものテンポでゲームを進められなかった。
それでも前半終了間際、相手反則で得たPKから中村知春主将が仕掛け、右タッチライン際を走る桑井亜乃にパスをつなぐ。桑井はタックルを受けながらもインゴール右スミにボールを押し込み、先制トライを奪った。
5-0で迎えた後半。シンビンにより6人となっていたカザフスタンをいっきに崩したかったサクラセブンズだったが、反則とミスで流れを失う展開からなかなか脱しきれなかった。ハーフタイムに浅見敬子ヘッドコーチから「反則はダメ。相手より一人多いのだから思い切って攻めよう」の指示が出たが、いつもの動きは戻らない。五輪出場決定が目の前にある重圧は予想以上だった。
後半4分過ぎ、自陣から大きくゲインしたカザフスタンは、日本陣深くに攻め入り、PKを得る。シンビンを取られ、6人になったサクラセブンズは大きな波を止められなかった。青いジャージーがゴールポスト横に飛び込み、コンバージョンも決まってスコアは逆転。そのまま7-5でカザフスタンが勝った。
ふたたびカザフスタンと対するファイナル。勝てばサクラセブンズがリオへの切符をつかむが、負ければ11月7日、8日におこなわれたアジア予選・第1戦、香港大会との総合成績により、日本とカザフスタンが12ポイント同士で並ぶことになる。
その後は、?2大会での当該国同士の対戦で勝利数の多いチーム(ともに2勝)、?2大会での当該国同士の対戦で得失点差が大きいチーム(日本大会決勝前までで日本の+22点/香港大会初戦から7-5、22-0、5-7)、?2大会の総得失トライ数差が大きいチーム、?2大会の総得点、?2大会の総トライ数、?コイントスの順で優劣が決まる。勝ってスッキリと出場を決めたい。
「私たちは20分の(決勝で勝つ)ために走ってきました」
そう言って、チームへの信頼の気持ちを示した浅見ヘッドコーチ。選手たちも同じ気持ちなら、最後はきっと走り勝つ。