国内
2015.11.21
パナソニックが近鉄に快勝したのは、「反応」「必死」の賜物だった?
近鉄戦でマン・オブ・ザマッチに選ばれたパナソニックのWTB北川智規(撮影:BBM)
<ラグビートップリーグ グループA 第2節>
パナソニック 47-27 近鉄
(2015年11月21日/京都・西京極総合運動公園陸上競技場)
2連覇中のパナソニックが13-13と同点に追いついた前半の中盤以降も、前年度12位の近鉄は、流れを、渡さない。
敵陣深い位置でのWTB島直良のタックルで落球を誘うと、しばしの間、攻撃権を保つ。前半32分、ゴール前右のラインアウトを起点にラックを連取し、元南アフリカ代表の新たな軸、NO8ピエール・スピースがスペースを射抜いた。
13-20とされたパナソニックのLO谷田部洸太郎は、「(チームの守備の根幹をなす)横の選手とのコミュニケーションが足りなかった」。ここまでシーソーゲームだった。
後の勝者のハーフタイム中の会話は、「(ワンプレーごとの)反応が悪い! それだけです」とNO8ホラニ龍コリニアシ。HO堀江翔太主将は「攻守とも我慢しよう。必死にならんと、勝ちは転がって来ないよ」。
ねじを締めなおした王者は、後半の初頭、潮目を手繰り寄せる。
キックオフの球を確保したNO8コリニアシが「前半、寝ていたので」と大きく突破。球は右から左へ動き、最後はFB笹倉康誉がインゴールを破る。コンバージョン成功で20-20と同点に追いつくと、1分後にはハイパントを捕ったCTBのJP・ピーターセンをWTB北川智規が援護し、グラウンド中盤からインゴールまで駆け抜ける。勝ち越す。27-20。
近鉄のPR豊田大樹主将が「気持ちではなく、スキル、反応の問題」と悔やむ一方、パナソニックは「僕が不安になるほど冷静だった」とHO堀江主将。快勝ペースでノーサイドを迎えたのだった。
(文:向 風見也)