国内 2015.11.13

パナソニック3連覇へ快勝発進! 堀江「厳しい練習積んだ仲間が引っ張った」

パナソニック3連覇へ快勝発進! 堀江「厳しい練習積んだ仲間が引っ張った」
ホラニ龍コリニアシ(右から2人目)らも奮闘してトップリーグ開幕戦に快勝したパナソニック
(撮影:松本かおり)

 ラグビーの日本最高峰リーグ、トップリーグが11月13日に東京・秩父宮ラグビー場で開幕し、3連覇をめざすパナソニック ワイルドナイツが昨季5位のサントリーサンゴリアスを38-5で下し、好発進した(グループA)。

 前半3分にパナソニックのSOベリック・バーンズがPGで今季初得点。6分には敵陣22メートル内に入ると、SOバーンズが相手ディフェンスの裏にキックでボールを転がし、ワールドカップでも活躍したWTB山田章仁がインゴールで押さえて最初のトライゲッターとなった。
 さらにPG3本を追加してリードを広げたパナソニックは、相手PR畠山健介がイエローカードで一時退出となった直後の39分、ゴール前スクラムからショートサイドを攻め、SOバーンズのバックフリックパスをもらったWTB山田が俊敏にディフェンダーをかわしてトライを決めて、26-0で折り返した。

 後半もパナソニックの勢いは止まらず、守りで耐えてターンオーバーしたあとの51分(後半11分)、SOバーンズのキックパスを南アフリカ代表長身BKのJP・ピーターセンが確保してトライ。

 サントリーはトップリーグデビューとなった2年目のWTB江見翔太(学習院大出身)が鋭い走りを披露し、日本代表でもあるFB松島幸太朗などが攻守で奮闘するも、しばらくノースコアだったが、60分、サモア代表のSOトゥシ・ピシがゴール右隅にボールをねじ込んで5点を返した。
 しかし、パナソニックは67分に連続攻撃をFLユ・ヨンナムがフィニッシュし、チームはボーナスポイントを獲得して快勝となった。

 敗れたサントリーのアンディ・フレンド ヘッドコーチは、「自分たちの望むゲームができなかった。最初の15分、20分はファンダメンタルのミスが出て、規律も守れなかった。パナソニックはバーンズがよくゲームをコントロールし、質のいいゲームをした。自分たちはアグレッシブアタッキングラグビーができなかった。その結果が、これだ」と厳しいコメント。しかし、ルーキーのPR森川由起乙やSH流大(ともに帝京大出身)、HO北出卓也(東海大出身)もデビューして奮闘し、「若手はいい経験はできた。エラーが多かったが、ベストのチームから学んでいく。成長していってほしい」と収穫面も口にした。
 キャプテンのLO真壁伸弥は「入りからミスが多く、修正できなかった。主将の自分が立ち上がりにペナルティーをした。それでは勝てない。相手はラックに人をかけず、こちらはかけた」と反省し、次戦での雪辱を期する。

 一方、勝ったパナソニックのロビー・ディーンズ監督は、「素晴らしいスタート。選手たちが正確なプレーをしてくれた。ひとつになってエキサイティングに、楽しんでプレーした。日本代表の選手たちが戻り、パナソニックのラグビーに集中してくれた。バーンズは我々にとって心臓部分。田中(史朗)もよくて、ふたりがチームを引っ張ってくれている。彼らはディシジョンメーカー。今日はすべて判断が正しかった。ピーターセンが特に素晴らしかった」と選手たちを称えた。
 今夜の試合は1万792人がスタジアムで観戦し、サポーターを笑顔にしたパナソニック主将のHO堀江翔太は「たくさんの人が来てくれて嬉しい」と喜んだ。今秋は日本代表としてワールドカップを戦い、チームに合流して1か月も経っておらず「自分自身はあまり周囲と合わせる時間はなかったが、厳しい練習を積んできたチームの仲間がよく引っ張ってくれた。味方のいいとこを活かし、自分のいいとこも活かす。そういうことがもっとできると思う。いらん反則はいくつかあったから、それはなくしたい。これで満足していたら上にはあがっていけない。どんな試合でも反省するところはある」とコメント。ディフェンスでも強さを発揮し、勝負ポイントのラックについては「(毎回)捨てているわけではない。判断して動いている。1人の判断に対してあわせていくのを理想としている」と語った。

 今季のジャパンラグビートップリーグは参加16チームが8チームずつの2グループ(A・B)に分かれ、各グループ1回戦総当たりのリーグ戦をおこない、各上位4チームが優勝を争うトーナメント「LIXIL CUP」に進む。

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