セブンズ 2015.11.11

「躍動してくれた」。男子セブンズ代表、帰国会見で決勝の逆転劇を語る。

「躍動してくれた」。男子セブンズ代表、帰国会見で決勝の逆転劇を語る。
リオ五輪へ向けて新しいステージに歩を進める男子セブンズ日本代表。
(撮影/松本かおり)

 2016年のリオデジャネイロオリンピックへの出場権を獲得したラグビー7人制男子日本代表は、11月9日に東京・羽田空港で会見。11月7日、8日、香港スタジアムでのアジア予選を制していた。瀬川智広ヘッドコーチ(HC)は来年の大一番を見据え、「自信はありましたが、一発勝負(10チーム参戦も、出場権獲得枠はわずか1)ということもあり、緊張しながら戦いました。メダルを取るために強化を続けたい」と話した。

 大会2日目の香港代表との決勝戦は、24―10で勝利。しかし前半は大会初失点を喫し、0-10とリードされていた。指揮官は当時の様子を「チームが浮足立っていました」と振り返る。
「いい形で立て直したいと思っていたなか、後半の仕切り直しのキックオフもうまくいかず…。正直、まずいな、と。3本目(のトライ)を取られたらどうなるかわからないと思っていました」

 しかし、レメキ ロマノ ラヴァによれば、ファイナルを前に選手はこう語り合っていたという。
「もし点を取られてもパニックにならないように。(練習や過去の試合で発揮した)やりたいことをやれば、勝てる」
 2分に後藤輝也、5分にはレメキがそれぞれインゴールを割るなどし、逆転。12―10。7分にはトゥキリ ロテ ダウラアコの突破から合谷和弘が加点。8分には前主将の坂井克幸がだめを押した。会見中、指揮官は「落ち着きを取り戻した。(2分のスコアの段階で)1本返せば相手の足が止まると感じた。選手が躍動してくれたと思います」と安堵の気持ちを明かした。

 本番に向け、新チームは2月から始動する。「走り勝つ」をテーマに掲げる瀬川HCは、「アジアのなかでは間違いなく走り勝てた。ただ残念ながら、フィジカル的にもスピード的にも、現在は目標のトップ4に至っていないのが現状だと思います」と手綱を締める。
「まず1人ひとりが強くなる。少しでも速く早くなる。また、スピードを(試合終盤まで)持続させる。それを個人個人の課題として取り組んでいきたいです。そして2月以降に新たなスコッドで動き出したとき、戦術面を含めて意思統一を図ってきたい」

 選手はこの先、各所属先で15人制に専念する。9月、10月はワールドカップ・イングランド大会へ参戦し、今後は早大へ戻る藤田慶和は、「社会人の選手と大学生の違いはオンとオフの切り替えだと思います。大学に戻っても高いレベルを維持できるようやっていきたい」と話した。

(文/向 風見也)

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