ワールドカップ 2015.10.30

下馬評を覆せるか 豪州は負傷者回復しベスト布陣でW杯決勝へ

下馬評を覆せるか 豪州は負傷者回復しベスト布陣でW杯決勝へ
ファイナルウィーク。メディアの取材を受けるワラビーズのモーア主将(Photo: Getty Images)

 16年ぶり3回目のラグビーワールドカップ優勝に王手をかけ、宿敵ニュージーランド代表と初めて決勝戦で対峙することになったオーストラリア代表(ワラビーズ)が、英国時間31日にトゥイッケナムでおこなわれるファイナルのメンバーを発表した。

 スターティングメンバーは準決勝(対アルゼンチン戦)から変更になったのは1人だけ。PRジェームズ・スリッパーがベンチに入り、痛めていたひじが回復したPRスコット・シオが1番をつける。

 2003年大会の決勝を経験している唯一の選手、マット・ギタウは準決勝で股の付け根部分を痛め心配されたものの、完全にフィットしてインサイドCTBで先発する。準決勝でハットトリックを決めたWTBアダム・アシュリー=クーパーは、ニュージーランドから通算最多の9トライを挙げている男であり、彼もカギを握るひとりとなりそうだ。

 ニュージーランド代表の3列(カイノ、マコウ、リード)はワールド最高クラスだが、オーストラリア代表のバックローも世界に誇るハードワーカーぞろいだ。元釜石シーウェイブス選手のFLスコット・ファーディーは29歳で初代表入りと遅咲きだが、泥臭く体を張り続け、いまやワラビーズの6番を不動のものにした。7番は同じく運動量豊富な副将のマイケル・フーパー。そしてブレイクダウンで最強の仕事師となるデイヴィッド・ポーコックが8番をつける。

 2003年大会でオーストラリア代表のヘッドコーチを務めて決勝に導き、今回のワールドカップでは日本代表の指揮官として快挙(南アフリカ戦勝利を含む3勝1敗)を遂げたエディー・ジョーンズ氏は、5点差以内の僅差でニュージーランドの勝利と予想しているが、「両チームとも自信に満ちあふれて決勝を迎えるだろう。差はない」と評している。SHウィル・ゲニアをオーストラリアのキーマンに挙げ、「彼は走ることができるし、キックもできる。準決勝の後半のプレーは目を見張るものがあり、勝利の要となっていた。彼が実力を出し切る好プレーをすれば、ニュージーランドの戦略を抑え、オーストラリアにチャンスを与えることができるかもしれない」と分析している。

 ニュージーランドとの通算対戦成績は42勝7分105敗と大きく負け越しているオーストラリアだが、今年8月にシドニーで4年ぶりにライバルを倒して南半球4か国対抗戦で優勝しており、勝算はある。主要ブックメーカーのほとんどがニュージーランド優勢のオッズを出しているものの、ワラビーズの黄金カラーに身を包むサポーターの期待は高まっている。

<RWC 2015 決勝(対 NZ戦) オーストラリア代表 試合登録メンバー>

1. Scott Sio  2. Stephen Moore(主将)  3. Sekope Kepu  4. Kane Douglas  5. Rob Simmons  6. Scott Fardy  7. Michael Hooper  8. David Pocock  9. Will Genia  10. Bernard Foley  11. Drew Mitchell  12. Matt Giteau  13. Tevita Kuridrani  14. Adam Ashley-Cooper  15. Israel Folau

〔控え選手〕
16. Tatafu Polota-Nau  17. James Slipper  18. Greg Holmes  19. Dean Mumm  20. Ben McCalman  21. Nick Phipps  22. Matt Toomua  23. Kurtley Beale

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