コラム 2015.10.14

vol.9 トゥキリ ロテ ダウラアコ(セブンズ日本代表/北海道バーバリアンズ)

vol.9 トゥキリ ロテ ダウラアコ(セブンズ日本代表/北海道バーバリアンズ)
昨春のグラスゴーセブンズでトライを挙げるトゥキリ(Photo: getty images)
【南波流マヌエリ(秋田ノーザンブレッツ)→ トゥキリ ロテ ダウラアコ(北海道バーバリアンズ)】

「紹介してくれたマヌエリ・ナワルは高校、大学の先輩でもあります。非常に、運動能力が高い人で、素晴らしいラグビープレーヤー。キックに才能があり、ゴールキック、キックオフリスタートなどで力を発揮してくれました」

「私はフィジーのナンドロンガ、シンガトカ病院で生まれました。非常に小さい町ですが、多くの有名ラグビー選手たちを輩出しています。私の家族はそのナマタクラ村出身で、ここからも多くのインターナショナルラグビー選手が育ってきました。とにかくラグビーを愛している人たちばかりで、叔父たちもまだプレーしている。男の子に生まれたら皆がラグビーをしてきたし、家族で集まってもラグビーの話題ばかり。試合を見に行くのも、テレビで友人たちのプレーを応援するのも大好きです」

「とにかく親戚たちが世界で活躍しているので、いろんなチームを応援しています。ロテ・トゥキリ(元オーストラリア代表/元ワラターズ)、テヴィタ・クリンドラニ(オーストラリア代表/ブランビーズ)、アメノニ・ナシラシラ(7人制フィジー代表)、エリア・トゥキリ(元ワラターズ、パナソニック)、ネマニ・ナンドロ(フィジー代表/クルセイダーズ、元NEC)、クリス・クリンドラニ(レッズ)など多くの選手が活躍していますが、近い将来、もっと多くの選手たちが有名になっていくと思います」

「日本に来たきっかけは栃木県の白鷗大学ラグビー部です。私にとって初めての挑戦でした。日本のラグビー、ライフスタイルはフィジーとは違いましたが、少しずつでしたが適応していきました。特に大きかったのは言葉の壁で、来日1年目は大変だったのを覚えています。現在は生活する上で問題ないぐらいまで成長できましたが、もっと上達したいと思っています。当時、関東大学リーグ戦2部、3部でプレーしていましたが、1部と比べると実力的に大きな差があった。でも、チームのために自己犠牲の精神でプレーすることを心掛けましたし、いい経験になったと思っています。最近、白鷗大は強くなってきたと聞いていますが、それはうれしいことです」

「大学卒業後、北海道バーバリアンズでプレーしています。北海道での生活は、フィジー人の私にとって大きなチャレンジでした。とにかく気候がフィジーとは全く違う。本当に、本当に寒いのです(笑)。大雪を経験しましたし、雪の上でタッチラグビーをしたのも初めてです。でも、振り返れば本当に素晴らしい経験で、バーバリアンズには感謝しています」

「7人制ラグビーというのは、もしフィットネスがあり、怪我がなければ、非常に楽しめるスポーツです。私自身も、セブンズを楽しんでいますし、日本代表のメンバーたちはいい人が多く、おもしろい人たちもいて雰囲気がいい。今、帰化したので、来年夏のリオ五輪に出場できるチャンスがある。まずはアジア予選に集中したいと思います。とにかく、今最高のチャンスが目の前にある。しかも、誰もが参加したい舞台ですから」

「私はNTTドコモレッドハリケーンズのジョセファ・リリダム選手を紹介します。スピードとストレングスに優れた選手で、ラグビー選手としての才能が素晴らしい。彼は親友でカバ(フィジーの伝統的飲料)を一緒に飲む間柄です」

(インタビュアー:福田 達)

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【Player Profile】

トゥキリ ロテ ダウラアコ Lote Daulako TUQIRI
北海道バーバリアンズ(CTB)
身長188センチ、体重98キロ。1987年11月12日、フィジー生まれ。
マリストブラザーズ高校 → 白鷗大学 → 北海道バーバリアンズ。
セブンズ日本代表。

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今年春の東京セブンズにて。後列中央、ウルトラセブンに囲まれるトゥキリ(撮影:矢野寿明)

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