堀江副将、W杯プール最終戦に「満足せず、1つひとつのプレーの質を上げる」
ビッグゲームから一夜明けた4日、散髪に出かけた。坊ちゃん刈りの漫画の主人公の名を出し、ラグビー日本代表のHO堀江翔太副将は笑う。
「いったん『コボちゃん』みたいにしてから周りを調整するような髪形やったんですけど…。『コボちゃん』にされた瞬間は、あ、失敗したな、って」
有難いことに、カット代を無料にしてもらえた。「ワックスももらいました」。参戦中のラグビーワールドカップイングランド大会でのチームの躍進を受け、ジャパンの注目度は高まり続ける。かねて国内の競技人気向上を望んでいた29歳は、言葉を絞った。
「嬉しいですよ。日本ラグビーがここまで注目されるところがなかったので…。嬉しいです」
9月からのイングランド大会では、予選プールBで3戦中2勝1敗だ。3日にはミルトンキーンズ・スタジアムmkで、サモア代表との第3戦に26-5と快勝した。11日にはグロスター・キングスホルムスタジアムでアメリカ代表とぶつかる。
前回の80分間で「コントロールできたことがたくさんあった」と手ごたえを掴めた。スクラムでも策がはまったようだ。PR稲垣啓太とともに、相手のPRセンサス・ジョンストンを塊のなかで孤立させられた。前半24分には、敵陣ゴール前の1本を押し切りペナルティトライも奪った。
もっともその目線は、次戦に向いている。
「満足せず、1つひとつのプレーの質を上げる。質は準備で上げる。サモア代表戦でも簡単なミス、連係ミスは見ててあったし、本人がわかっている。昨日、チームディナーの後もリーチ(マイケル主将/FL)からそういうミーティングがあったのでね。スクラムでもしっかり、プレッシャーをかける。アメリカ代表のスクラムは、人(出場選手)によって違いが出てくると思う。そこらへんを対応できたらいいなと思いますね」
5日、来季から南半球最高峰スーパーラグビーに参加する日本チームの愛称が「サンウルブズ」に決まった。2013年度から2シーズン、スーパーラグビーのレベルズ(オーストラリア)でプレーしてきたHO堀江副将だが、「いまはアメリカ代表戦のビデオしか観ていない」。日本代表初のW杯での連勝を見据える。