【関東大学対抗戦A】筑波大倒す。矢川主将戻った慶大が逃げ切る。
何度もスペースを鋭く抜けた慶大CTB田畑万併。(撮影/石橋英生)
9月13日、秩父宮ラグビー場にて対抗戦序盤の好カード、慶大と筑波大の試合がおこなわれた。両校ともに初戦ということもあり、前半はイージーエラーが多発。その相手ミスから逆襲に転じた慶大が4トライを挙げて26−11とリードを広げた。トライチャンスは少なかったが、そのほとんどを得点に結びつけた。やるべきことを明確にして臨んだ結果だった。
「初戦に勝つのは難しい。低くタックルしてプレッシャーをかけようと、やってきたことを出してくれました」と金澤篤ヘッドコーチ。一方、筑波大の古川拓生監督は、「開幕なので、上手くいかないことも起こると思っていました。なので、我慢をテーマに戦いましたが、ミスを繰り返し、それを修正できなかった」と振り返る。
後半は筑波大がペースを握り、2トライを返して後半23分に23−26と迫る。個々の攻撃力は一枚上かと感じさせる場面も多かったが、慶大も粘り強く防御でファイト。明暗を分けたのは32分だった。筑波大陣内22?付近で慶大のパントを筑波大がチャージしたが、このボールが慶大WTB金澤徹の胸に収まる。最後は途中出場の古橋純がインゴールに飛び込み33−23とリードを広げた。
「前半はいい流れに乗れましたが、後半は同じトライの取られ方で、ミスにも助けられた。どんな局面でも、ディフェンスの人数を揃え、前に出る。そこに集中していました」と話すのは慶大のSO矢川智基主将。怪我から復帰したばかりだが、「迷惑をかけたので強い気持ちで臨んだ。長く、きつい練習をしてきたので、少しは出せたかなと思います」
敗れた筑波大のPR橋本大吾主将は、セットプレーで奮闘して、何度も前へ出た。
「オフロードなどで単純なミスの繰り返し。(フォローしている)2人目の声がなく、それがミスの原因になった。前半は試合中に修正できなかった」
後半3点差にしてから、さらに攻めた筑波大だったが、相手の嫌がる方向にボールを運べなかった印象が強い。一方慶大は、スペースを与えそうになると、両WTBなど外からの声が頻繁に出ていた。危機管理能力の高さも勝因だった。