セブンズ日本代表 シドニーで感じた世界との差
(撮影:Yasu Takahashi)
ブレディスローカップでワラビーズがオールブラックスを撃破した8月8日。その舞台となったオーストラリア・シドニーのANZスタジアムでは、そのビッグゲームのカーテンレイザーとしてサクラセブンズ(女子セブンズ日本代表)と男子セブンズ日本代表がピッチに立った。ともにオーストラリア代表と対戦した。
サクラセブンズは後半を7-0としたが、7-26のスコアで敗れた。しかし試合を目撃した現地のジャーナリスト、バリー・ロス氏が「彼女たちはよく動き、いいパフォーマンスをしていた。後半はスコア通りの内容」と言うゲームだった。
浅見敬子ヘッドコーチは、「試合には負けてしまったが、いつも課題になる最初の入りのところでの2分間のボールキープはできた。そこは最後にターンオーバーされてしまったものの、入りとしては非常によかった。後半はディフェンスが多かったが、しっかり守って、最後は認定トライという形で終わることができ、後半のスコアだけ見れば7-0で勝てていた部分もあった。女子セブンズオーストラリア代表はスキルフルなキックパス、ルーズボールを見逃さない反応、ボールキャリアに対してプレッシャーのかけ方が非常に速く、我々の反応が少しでも遅れてしまうとボールを奪われる局面があった」と試合後にコメントを出した。そして、「そこのスピード感を大切に、11月に行われるリオデジャネイロオリンピックのアジア予選に向けてトレーニングを積んでいきたい」と続けている。
中村知春主将は、「シドニーオリンピックのスタジアムで世界3位の相手と対戦できたことは非常に貴重な機会になった。最初の入りから相手のペースを乱すことにターゲットを置いていたが、課題であった入りの部分、タックルで倒し切ることに関しては、戦えていた時間がいままでより増えたので、そこは前向きに捉えていいところだと思う。あとは1対1の状況で足が速い相手と戦う時、自分たちのペースを崩されてしまったので、そこは課題だと思う。遠征に入ってから練習を繰り返していたセットプレーの精度という部分では、セットプレーからトライを取れた場面もあったので、ここからはより精度を磨いて、8月22日から始まるコアチーム予選大会に向けてトレーニングをしていきたい」と前向きだ。
一方、0-45と完封負けを喫した男子セブンズ日本代表の瀬川智広ヘッドコーチは、「ブレディスローカップが行われる会場でオーストラリアセブンズ代表と試合ができる機会を与えていただき感謝している。日本としてはオーストラリア協会の粋なはからいにプレーで応えられなかったことが非常に残念」とした。
「6月から新たなチームで強化してきたが現在の立ち位置が明確になった。チーム全員が危機感を感じ、プレーの精度にこだわらなければ世界と戦えないことを理解しなければならない」
大島佐利ゲームキャプテンは「自分たちがやりたかったプレーをオーストラリア代表にさせてもらえなかったことが敗因。やろうとしていたディフェンスの部分では、できたところとできなかったところがあって課題が見えた。チャレンジしたことはよかったが、まだその精度や、ちゃんとやり切るというところまでいけなかったのが今後の課題」と語った。
「今日の試合で感じた世界との差をこれからの練習で埋めていけるように頑張りたい」
11月のリオ五輪アジア予選突破へ向け強化を急がなければ。
(撮影:Yasu Takahashi)