各国代表 2015.08.08

復活した豪州! 4年ぶりにNZ倒し南半球4か国対抗優勝!

復活した豪州! 4年ぶりにNZ倒し南半球4か国対抗優勝!

Wallabies

トライネーションズ時代から数え4年ぶり、ラグビーチャンピオンシップは初制覇となったワラビーズ
(撮影:Yasu Takahashi)

 チーム内部の騒動で昨年10月に指揮官が替わり、欧州遠征を1勝3敗で終え、今年3月には世界ランキングが過去最低の6位まで落ちたオーストラリア代表(ワラビーズ)。しかし、マイケル・チェイカ ヘッドコーチのもと再建し、ワールドカップイヤーにゴールドの輝きを取り戻した。

 地元シドニーのANZスタジアムで8月8日、観衆73,824人の前で、ワールドカップ連覇に向けて調子を上げているニュージーランド代表(オールブラックス)と激突し、27-19で下した。ワラビーズがオールブラックスに勝ったのは4年ぶり。これで今年のラグビーチャンピオンシップは3勝0敗となり、2011年以来の南半球タイトル獲得となった。

 前半は互いにディフェンスが堅く、PGのみでスコアボードが動いた。3-6、ニュージーランドのリードで折り返す。

 ラインアウトのミスが続いて波に乗れなかったオーストラリアだが、後半早々に相手がシンビンで1人を欠いた直後、敵陣深くでアタックチャンスとなり、PRセコペ・ケプが防御網を破って初トライを挙げた。

 しかし53分(後半13分)、今度はワラビーズのSHニック・フィップスが反則でイエローカードをもらい、オールブラックスが好機をものにした。その前にPGで1点差に詰めていたニュージーランドは、55分、ラインアウトからのアタックで攻め上がり、パスを相手WTBアダム・アシュリー=クーパーにカットされそうになったがFBベン・スミスがもぎとり、突破。WTBネヘ・ミルナースカッダーにつないで逆転トライが生まれた。10-14。

 それでも、14人のオージーは意地を見せた。フェイズを重ねるも壁を崩すのに苦労していたが、60分、守る相手WTBジュリアン・サヴェアが詰めてきたのをしっかり見ていたSOマット・トゥームアが22メートルライン外からスペースが空いた右前方に絶妙なグラバーキックを放ち、味方のWTBアシュリー=クーパーがボールを確保してインゴール隅に押さえた。コンバージョン成功で17-14となる。

 だが、テストマッチ8連勝中の最強黒衣軍がこのまま終わるはずもなく、64分、敵陣22メートルライン付近中央でのスクラムから右へ展開すると、この試合がデビュー戦だったWTBミルナースカッダーが3人のディフェンダーをものともせず果敢に突っ込み、2本目のトライを決めた。17-19、オールブラックスが再び先行する。

 しかし、68分、ワラビーズの途中出場SHニック・ホワイトが約45メートルのロングPGをねじ込み、逆転。
 活気づいたオーストラリアは71分にもゴールに迫り、密集から持ち出したSHホワイトがギャップを突いてすり抜け、勝利を引き寄せるトライを決めたのだった。
 残り時間の相手の猛攻を耐え、ワラビーズが2011年以来のオールブラックス戦勝利。40日後に開幕するワールドカップで難敵ぞろいのプールAに入るオーストラリアだが、本番前に復活を世界に印象付けた。

 なお、オーストラリアとニュージーランドの間には80年以上の歴史を持つ「ブレディスローカップ」もかかっており、来週15日にオークランド(イーデンパーク)でおこなわれる再戦でオーストラリアは勝つか引き分けならば、13年ぶりの栄冠奪取となる。

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ベン・スミスを弾き飛ばし、右隅にトライを決めるアダム・アシュリー=クーパー
(撮影:Yasu Takahashi)

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