国内 2015.08.06

攻と守。仲間と。つながるドコモ、サントリー戦快勝で夏合宿終える。

攻と守。仲間と。つながるドコモ、サントリー戦快勝で夏合宿終える。

攻守ともよく前に出たNTTドコモ。後半の勢いで逆転勝ち。

(撮影/Hiroaki UENO)

 北の大地でドコモがよくつながった。FWとBKが。攻撃と防御も。となりの仲間ともよく連係がとれて、特にディフェンスが乱れなかったから勝利を手にした。8月5日、網走。NTTドコモレッドハリケーンズが北海道での夏合宿最終日、サントリーサンゴリアスに42-19と勝ち、気持ちよく家路についた。

 この日の勝利で、合宿中に戦った4試合は3勝1敗(他の3試合は以下の結果/vs クボタ=○35-10、vs NEC=○7-5、vs リコー=●14-26)。下沖正博監督は、「春からやってきた自分たちの攻守を出そう、と。『アティチュード』をテーマにして臨んだ夏合宿でした」と話した。
「その中で選手たちはよくやった。きょうも疲れていたと思いますが、いいパフォーマンスだった」
 特に、高まったディフェンス力と安定感の増したスクラムに手応えを感じた。

 この日のサントリー戦は立ち上がりこそ先制トライを許したが、すぐにトライを返して追いついた。その後、互角に戦いながらも2トライを許して前半を7-19で終えた。しかし後半、積み上げてきたものを出した。
 まずサントリーの防御を切り裂いたのはWTBジョセファ・リリダムだ。スクラムをグイッと押し込んで仕掛けたBKラインのムーヴが効いた。切れ込んだリリダムが颯爽とゴールポスト下へ。7分にはターンオーバーから攻めた。WTB茂野洸気が大きくゲインし、最後はSH井之上明が決めて21-19と逆転した。

 試合後に下沖正博監督が「ラインスピードを上げること。スクラムに力を注ぐこと。それらをやり続けた成果がパフォーマンスにつながっている。きょうの試合でも前半から防御で前に続けたことがボディーブローのように効いて後半の優勢に結びついた」と語ったように、後半10分過ぎからは圧力をかけ続けて流れをがっちりつかんだ。
 後半13分だった。CTB清瀬岳大の猛タックルがキッカケとなった。その鋭い一撃でボールを取り返したNTTドコモは、攻めに転じて攻撃を継続。最後はパエア ミフィポセチがトライラインを越える。23分には相手ゴール前でスクラムを押し込み認定トライをもぎ取る。31分にもスクラムでの優勢で相手の防御の出足を止めて攻め立てた。WTB茂野がチーム6トライ目を決める。42-19の快勝をしめくくった。

 昨季ファーストステージは7戦全敗のプールB最下位(8位)と沈みながらも、セカンドステージで5勝2敗、グループBの3位と浮上した(最終順位11位)。さらに日本選手権への出場権を懸けたワイルドカードでも1勝。その上昇気流を今季も維持している。
 下沖監督は、「昨季のファーストステージが終わった時点で、どうして自分たちのアタックができないのか見つめ直しました。それを踏まえて、スキル面の小さなところから丁寧に修正し、積み重ねた。そこがベースになって精度も上がったから、いま上積みができているのだと思います」と話す。
「ディフェンスでラインスピードを上げる。それが結果につながると全員で信じてやり切る。去年はスクラムがあまりよくなかったので、今年は春からラインアウトより多くの時間をそこに割きました。箕内(拓郎)FWコーチ、松川(功)アシスタントコーチを中心に強化をすすめ、結果も出せるようになってきた」
 この時期だ。対戦相手はもちろんベストメンバーではない。夏に残した結果が秋の上昇を約束するものでないことも分かっている。しかし選手たちが、自分たちのやるべきことを遂行することに集中できていることを評価する。
「毎年のように入替戦を戦っていたチームが、昨季はワイルドカードでも1勝した。選手たちは手応えを感じています」
 もう絶対に後退したくない。そんな意欲も、よく声の出るピッチから感じられた。

 今季はオーストラリアから、ワラビーズのFBとして活躍中のイズラエル・フォラウが加わる。また南アフリカからも、ワールドカップへの出場が有力視されるSOハンドレ・ポラード、LOエベン・エツベスも。彼らの合流を最高の状態で待つイメージでチームは歩を前に進めている。
 下沖監督が言う。
「外国人選手頼みになってはいけない。チームの土台がしっかりしていれば、より彼らの力が活きる。そう考えてチームを作っていきたい」
 箕内FWコーチも同じ思いだった。
「彼らが加わったときに大きく変える必要がないように、ベースの部分を固めないと」
 なんとかトップリーグに生き残りたいと、下ばかりを気にして戦ってきた。そんなチームが、今季は上を見てシーズン開幕に向かっている。

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