女子 2015.07.26

サクラセブンズ中村知春主将、太陽生命ウィメンズシリーズを楽しむ。

サクラセブンズ中村知春主将、太陽生命ウィメンズシリーズを楽しむ。

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アルカス熊谷でのデビューを果たした中村知春。(撮影/松本かおり)

 照りつける太陽と青空。遠くに横浜の海が見える。YC&AC(横浜カントリー&アスレチック・クラブ)の緑の芝の上をカラフルなジャージーが駆けた。
 7月25日、太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2015横浜大会の第1日が開催された。全部で4大会が開催される中のファイナル。7月26日の2日目(最終日)には各カテゴリーのトーナメントがおこなわれ、年間チャンピオンが決定する。

 横浜大会初日は、年間総合成績で激しくトップを争うアルカス熊谷、東京フェニックスが順当に勝利を重ね(3大会を終えた時点の総合ポイントで2差)、ともに初日の1位、2位の座をキープした。
 しかし、その他は混戦となった。3位に入ったのは、怪我人が復帰してメンバーが揃った日体大。力を伸ばす追手門学院大に勝ったのが大きかった(追手門学院大は6位に)。4位には高校生も奮闘したRugirl-7。5位にはひたむきな名古屋レディースが入った。高校生アスリートが揃うチャレンジチームが7位に入り、YOKOHAMA TKMも東京フェニックスに食らいつく試合を演じるなど意地を見せて8位となった。これらのチームが最終日にカップ/トーナメントを戦う。
※RKUラグビー龍ヶ崎GRACE、世田谷区レディース、北海道バーバリアンズディアナ、カ・ラ・ダファクトリーAPパイレーツはボウルトーナメント(9-12位決定戦)へ。

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東京フェニックスに食らいついたYOKOHAMA TKM

 大会初日には今季シリーズ初登場となるサクラセブンズ(女子セブンズ日本代表)主将、中村知春の姿もあった。東京フェニックスに所属していたが、今季からアルカス熊谷に移籍。第1戦の保土ヶ谷大会はチーム移籍の諸事情で欠場し、第2戦(東京大会)、第3戦(秋田大会)はNZ留学と重なった。しかしこの日は安定感あるプレーを見せ、初めての『アルカス姿』でチームの勝利に貢献した。
「オリンピック(出場)のことしか考えられない」と仕事を休職し、最高の環境を求めて向かった熊谷の地(4月には同地へ引っ越し済み)。合宿や遠征が続き、「新居にはまだほとんど住んでいない」と苦笑するが、グラウンドのすぐ近くに住んでいるため、「気になることがあればすぐにグラウンドへ出られる」と決断が正しかったことを実感している。豪州遠征/合宿、コアチーム昇格大会、オリンピック予選と続くこの先の勝負の時期に向け、「すべてをラグビーに注げることが有り難い」と語る。

 NZ留学時は、オークランド協会のアカデミーでトレーニングをしたり、女子オークランド州代表の活動に加わったり。さらにカレッジライフルズという地元クラブにも顔を出すなど、充実の2週間を送った。
「語学の面でもプラスになりました。国際試合ではレフリーとのコミュニケーションも大事。その面でプラスになると思います」
 豪州合宿中の8月8日にはブレディスローカップ(豪州代表×NZ代表)の前座で女子セブンズ豪州代表と戦う機会を得た。
「(サクラセブンズは)メンタルによって、パフォーマンス面に大きな波が出てしまう傾向があるので、その点を克服するためにいい経験になると思います。大舞台だし、それだけに相手の気合いも相当でしょう。楽しみ」
 最高の準備を経て、決戦に挑む。

 太陽生命ウィメンズセブンズシリーズのレベルについて、笑顔を見せた。
「1年前を思い出してくださいよ。全体的にすごい進化ですよね。世界中で女子ラグビーの進化のスピードが上がっていますが、この大会はそれ以上に感じます。各チームの成長も凄いし、若い選手たちもたくさん出てきています。代表チームの選手たちも怪我から復帰して各チームでプレーしている。最終日、楽しみです」
 横浜の地で、年間王者になるのは何色のジャージーか。
 サクラセブンズの主将は、仲間とともに笑うことができるだろうか。

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