国内 2015.07.24

東海大が王者にファイト示す! 帝京大はやや反省

東海大が王者にファイト示す! 帝京大はやや反省

teikyo tokai

帝京大×東海大。関東大学春季大会より(撮影:松本かおり)

 大学選手権6連覇中の帝京大は19日、東京・帝京大グラウンドで東海大と練習試合をおこなった。学生同士の試合は大差で勝ち続けている王者だが、この日は主力による「A」の試合を29-19で戦い終えた。特にメンバーを大きく入れ替えた後半は、タックルミスから失点するなど課題を残した。

 11日、国内最高峰トップリーグ(TL)のサントリーとのトレーニングマッチ(東京・サントリーグラウンド/●31-33)で確かな手ごたえを掴んだ翌週のゲーム。岩出雅之監督によれば、チームは準備の段階で「先週は気持ちが入っていて、今週はのんびりしていた」という。要所でこそ持ち前の集中力を示したが、接点で激しく戦う東海大を向こうに後手を踏む場面も作った。「A」のゲームが終わると、岩出監督は選手を集めて長い訓話を始めた。円陣が解かれるとSO松田力也はこう語った。

「ブレイクダウン(接点)のところでプレッシャーを受けた部分がある。反省はすごく多かった。いい経験だったと思います」
 
 社会人に勝ちかけた翌週に、5月の直接対決(関東大学春季大会)で59-19と制していた学生相手のゲーム。精神的なアプローチが難しかった状況を暗に示した。

「1人ひとりの気持ちの部分が先週と違う部分があった。自分を見つめなおして、いつでもベストパフォーマンスを出せるようにすることが必要だと思いました」

 このマッチメイクを自ら願い出ていた東海大は、「ブレイクダウンの練習を中心にやってきた」とWTB近藤英人。「帝京さんはタックラーと(接点への)2人目(の寄り)が無茶苦茶、速い。前回はそこでやられたので…」。この日は帝京大のFW陣の前進に力強く反抗し、FL藤田貴大主将も「勝てそうなところで勝てなかった」と悔やみつつ、「ファイトすることはできている」と振り返った。

 セットプレーも安定した。前半の終盤には相手ボールスクラムをターンオーバーしてNO8テビタ・タタフがトライを決めた。PR平野翔平は「あまり言えないですけど、レフリーの方とコミュニケーションを取って、我慢して、方向付けができた」と笑った。
 
 帝京大のHO坂手淳史主将は、「点数の1つひとつで一喜一憂することはなかったです。ただ、試合中に修正しようという声は多かったです」と苦戦を総括する。「(岩出監督の注意は)僕たちに気づいて欲しいという願いがあったのだと思いますし、油断せずにやっていけたら、と。自分たちの基準でゲームをしたい。そのマインドを作るのは僕の仕事」と前を向いた。

(文:向 風見也)

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