コラム 2015.05.30

リオ五輪の英国代表。イングランド、スコットランド、ウェールズが1つに

リオ五輪の英国代表。イングランド、スコットランド、ウェールズが1つに

 2014-2015シーズンのセブンズワールドシリーズでは、男女とも、イングランドがトップ4に入って2016年リオデジャネイロオリンピックの出場権を獲得した。オリンピックで7人制ラグビーが実施されるのはリオ五輪が初めて。オリンピックは国籍主義で、参加は各国のNOC(国内オリンピック委員会)が単位となっており、イングランドのセブンズ選手は、グレートブリテン代表として出場することとなる。

 一般的にイギリス(英国)と呼ばれるグレートブリテン及び北アイルランド連合王国は、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つのホームネイションズで構成されているが、IOC(国際オリンピック委員会)は、英国本土においては英国オリンピック協会(BOA)のみ認めているので、4協会それぞれで出場することはできない。ラグビー界では、北アイルランドはアイルランド島全体を代表するチームに入る。なので、オリンピックに出場する7人制ラグビーの英国代表は、イングランド、スコットランド、ウェールズのトップ選手を集めたドリームチームとなりそうだ。

 このほど、BOAとワールドラグビー(ラグビーユニオンの国際統括団体)によって承認された「グレートブリテン・ラグビーセブンズ・リミテッド」が公式に設立され、この新しい組織は5月28日、2016年リオ五輪に向けたセブンズプログラムの詳細を発表した。

 ボード・オブ・ディレクターズの代表や、経営委員会のメンバーは3協会から平等に任命される。グレートブリテン・ラグビーセブンズのパフォーマンスストラクチャーは、イングランド協会で国際的な選手を育成する部門の責任者を務めてきた人物が担当し、パフォーマンスマネージャーとして共同プログラムを進めていく。

 五輪代表の選考対象となるには、選手は英国のパスポートを持っていなければならず、五輪までの約14か月の間に少なくとも1回はセブンズの国際レベル大会(ワールドシリーズ、欧州インターナショナルセブンズなど)でプレーする必要がある。
 もちろん、これまで15人制でプレーしてきた選手にも扉は開かれている。
 資格のあるプレーヤーは、3協会それぞれのセブンズ代表で活躍することが、英国代表入りをアピールすることにつながる。

 リクルート活動はすでに進行中で、ヘッドコーチやアシスタントコーチは国内の候補者から選ばれる予定。選手は2016年6月まで、これまで通り、イングランド、スコットランド、ウェールズに分かれたまま活動し、ワイダースコッド(候補選手)のトレーニングキャンプを経て、オリンピック開幕直前の7月中に12名の最終メンバーが決まる。

〔写真:リオ五輪の出場権を得た英国。左から、スコットランド、イングランド、ウェールズの主将〕
(Photo: World Rugby/Martin Seras Lima)

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