コラム 2015.05.21

摂南飯、バージョンアップ!

摂南飯、バージョンアップ!

 まいど!浪速のおっさんでーす。
 みんな久しぶりやな。元気しとった?
 今日は関西大学Aリーグの摂南大に行ってきた。昨年9月に取り上げさせてもらった「摂南飯」がバージョンアップしたらしいで。

 いやはや、見ただけでびっくり。噂通りのすごいやつ、やったわ。
 この日のメニューは、ビビンバ、手羽先の唐揚げ、ひじきと大豆のサラダ、豚汁、みかんとバナナのミックスヨーグルトやね。
 前回は夏野菜カレー、豚カツの南蛮風、スペイン風オムレツ、味噌汁、サラダ。

 品数こそ同じ5やが、その改良点を管理栄養士の古野幸子さんに話してもらったで。

(1) 野菜の増量。
 唐揚げにはキャベツとサラダ菜。ビビンバにはほうれん草、もやし、しいたけ、ニンジン、白菜キムチが載っている。豚汁には豚肉以外にじゃがいも、ニンジン、大根、ごぼう、青ネギ入り。
「ビタミン、ミネラルをより摂取できるようにしました」

(2) ご飯が白米から麦飯に。
「野菜の増量と同様、ビタミン、ミネラル、それに食物繊維をアップさせました」

(3) 乳製品を軸にしたデザートの登場。
「ヨーグルトでカルシウム、ビタミンが摂れます。ミカンには疲労回復のクエン酸が含まれています」

(4) 揚げ物などは、選手の顔を見てから作りたてを提供。
 学生食堂店長の大中真代さんがボランティアで午後9時まで残ってくれるようになり、それが可能に。夕食は午後7時30分スタート。栄養吸収が一番高い練習後30分以内のゴールデンタイムを目安にしとります。学食はグラウンドのすぐ横やからアクセスもまったく問題おまへん。
「温蔵庫に入れておいても、周りが硬くなったりします。やっぱりできたすぐを食べてもらいたいですしね」

 前回取材で「トンガのご飯より美味しい」と言ったFLのファツア二・ラウタイミ君はまたもニッコリや。
「できたてが食べられるようになったのでさらに美味しくなりました」
 某トップリーグチームへの就職を内定させた突進力の源やね。
 4月に入学したLOの近藤如斗(ゆきと)君は島根・石見智翠館出身。高校時代にセレクション的意味合いの練習に参加した後、摂南飯を振る舞ってもらった。
「ここに進路を決めたのは、このご飯が毎日食べられる、ということもあります」
 やっぱり食べ物は人を引き付ける。強いわ。

 監督の河瀬泰治さんが「食べてってよ」と言ってくれはったので、おっさんも前回同様いただいた。写真のやつ。ビビンパの具を載せたら、500グラムの麦飯が見えましぇーん。豚汁は具だらけ。学食にありがちな煮詰まりもないから、いやーうまいのなんの。
 妹の友達の占い師によると、おっさんは「食満の星」を持ってるらしい。お金持ちになる、ならんは別にして食べ物には不自由せんと。ここでもその運命を発揮…、と言いたいとこやけど、うーんお腹いっぱいや。あかん、動けへん。マネージャー、すんません、胃薬ない?「食満の星」なんかもういらんわっ、というぐらいてんこ盛りでした。

 もちろん前回同様、冷凍やレトルト食品はないで。添加物や保存料も使ってへん。塩分控え目も変わりないよ。もちろん麦飯は食べ放題。2人の女子を含め117人の部員のため、夕食はだいたい30キロ(約17升)は炊くらしいで。1日の摂取キロカロリーは成人男子の倍以上5000を目標。夕食で2500を目安にしてますわ。
 この充実メニューが、大学直営の学食を含めた学校側やクラブからの援助があるとはいえ、1食なんと600円で提供される。朝練習の後の朝食(ご飯、味噌汁食べ放題)はわずか100円。テレビショッピングの社長の声も裏返え続ける勢いや。

 河瀬さんはボリュームに関して言うよ。
「これが限界やね。これ以上するならもう少しお金を上げんと」
 いや監督、もう十分でしょう。よくする必要はおません。したら、この人たちが社会人になった時に大変でっせ。こんなコスパのご飯、どこにもありませんから。
 河瀬さんは現役時代、NO8として大阪工大高(現常翔学園)、明治大、東芝府中(現東芝)でプレーしはった。日本代表キャップは10やね。190センチ、100キロの巨体でボールを鷲づかみにして、相手にぶちかましに行ってはった。おっさんはあんなプレー、外国人以外で初めて見たわ。堂々としていて、気持ちよかったなあ。
 せやからご飯も豪快なんやね。

 摂南大はAリーグに復帰した昨年は6位。入替戦を回避したね。この春のオープン戦は、同志社大と2強を形成する天理大にこそ7-53で負けたけど、立命館大には19-25と接戦に持ち込んだ。少しずつやけど、成績は上向いているわねえ。
 バージョンアップした摂南飯効果。ラグビーファンのみんなに見せたいなあ。

(文:鎮 勝也)

【筆者プロフィール】
鎮 勝也(しずめ・かつや) スポーツライター。1966年生まれ。大阪府吹田市出身。6歳から大阪ラグビースクールでラグビーを始める。大阪府立摂津高校、立命館大学を卒業。在阪スポーツ新聞2社で内勤、外勤記者をつとめ、フリーになる。プロ、アマ野球とラグビーを中心に取材。著書に「花園が燃えた日」(論創社)、「伝説の剛速球投手 君は山口高志を見たか」(講談社)がある。

<写真説明> 
ある日のバージョンアップ摂南飯。
前列左から豚汁、ビビンバ、麦飯。
後列左から手羽先のから揚げ、ひじきと大豆のサラダ、フルーツヨーグルト。
サイズをわかってもらうために管理栄養士・古野幸子さんの二つ折り携帯を置いてみました。

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