【現地リポート】陥落…。男子セブンズ日本代表、奇跡起こせず。
3敗でプールB4位となった日本のコアチームからの降格が決まった。
(撮影/出村謙知)
カップ準々決勝に進出しなければ、コアチーム残留の可能性が消える厳しい状況で迎えたロンドンセブンズ1日目。日本の初戦の相手は年間成績で5位につける豪州だった。
2戦目に4年連続シーズン王者のニュージーランドとの対戦が控えていることもあり、死に物狂いで勝ちにいかなければいけない試合。しかし、立ち上がりから課題であるブレイクダウンで反則を重ね、ハンドリングエラーも目立つ最悪と言っていい内容に終始した。
1分にPKから左右に大きく振られて豪州に先制トライを許すと、前半4本、後半3本の計7トライを重ねられた。
「東京セブンズでベスト8に入ったことで自信をつかみかけていたが、グラスゴーセブンズで負けを重ねるごとにその自信が揺らぎ消極的な試合をしてしまった」
瀬川智広ヘッドコーチがそう総括していたスコットランドでの戦いを引きずるようなかたちでの完封負けだった(0-41)。
一方、NZは初戦でウェールズに快勝し(38-0)、日本を圧倒した豪州は続くウエールズ戦も順当勝ち(17-14)。この結果、日本にとってプール戦2試合目となるNZとの対戦は、敗れればコアチームからの降格も確定するという厳しい条件下で行われることになった(カップトーナメント進出ができなければ、総合ポイントで14位のポルトガルを逆転することは不可能に…)。
崖っぷちまで追い込まれたジャパンだったが、王者との対戦では開き直ったかのように積極的なプレーを見せ、聖地トゥイッケナムの観客を沸かせた。開始1分にPK からボールを大きく動かし、藤田慶和、トゥキリ ロテ ダウラアコがゲインした後、桑水流裕策がNZゴールに飛び込んで先制。3分、6分とNZに連続トライを許して逆転されるも、前半最後のキックオフから藤田が再び抜け出してトゥキリがトライを奪い、14-12と逆転してハーフタイムを迎えた。
後半に入っても、羽野一志がパスインターセプトから独走するなど、スタンドを沸かせるシーンもあった。しかし追加点は奪えず。逆にNZに3分、6分とトライを重ねられて金星を逃した(14-26)。
「オーストラリア戦はうまくプレーしようとし過ぎて、反応が遅くなり、やってきたことが全然出なかった。切り替えるしかなかったニュージーランド戦、ウエールズ戦ではアタックで通用した部分があった」(坂井克行主将)
前述のとおり、NZに敗れた時点で日本のコアチームからの降格は確定。それでも、「トゥイッケナムに忘れ物をしないように」(同主将)と、すべてを出し切ろうと一丸となった日本は、ウエールズとも一進一退の戦いを繰り広げた。
NZ戦とまったく同じように先制トライ(後藤)を奪った後、2本のトライを奪われて逆転を許したものの、前半終了間際のトライ(合谷和弘)で14-12とリードして後半へ。しかし最終的には、今シーズン何度も繰り返してきたように勝負どころでのミスとペナルティ。それが響いて逆転を許し、21-24で惜敗した。
2日目は、コアチームとして臨んだ2014-2015シーズンの最終日。ボウル準々決勝のケニア戦からで戦いをスタートさせる。