ワールドユース女子セブンズ　石見智翠館と福岡レディース4強入り、初Ｖ狙う

　女子高校生たちも福岡で熱戦を繰り広げている。ゴールデンウィーク恒例の「サニックス ワールドラグビーユース交流大会」は、昨年から海外チームも加わっての女子セブンズが開催されており、今年はオーストラリア、ニュージーランド、カナダ、香港の4か国・地域からと日本国内の4チーム（計8チーム）が参加し、29日に予選リーグがおこなわれた。

　4月に全国高校選抜女子セブンズを制し、太陽生命ウィメンズセブンズシリーズの第1戦・保土ヶ谷大会でも経験をつんだ石見智翠館高校（島根）は、プールAを3戦全勝の1位通過。今年は、センバツ、夏のKOBELCO CUP、そして今大会の3冠を狙っており、ブリスベンステートハイスクール（オーストラリア）に45-0、香港スポーツスクールに35-7、神戸甲北高校に36-0と快勝し、好スタートを切った。
「モチベーションと緊張感を持ったなか、いい試合ができた。本当に、強くなったなという思いはあります」と磯谷竜也監督。「太陽生命シリーズに出させていただき、いい負けを経験し、センバツのときよりワンランクアップしていると思う。太陽生命シリーズでTKMさんやARUKASさんとかと対戦し、詰め将棋のような取り方ができた。ウチにはスピードランナーがいないけれど、崩して崩してトライを取れたのが自信になっています」
　1年生が15人入部し、総部員34人となった石見智翠館は競争力が高まっている。
「3年生も新入部員をライバルと思っていて、気を抜けばポジションを取られるという思いを持って今大会に臨んでいるので、ストイックさはあると思います」
　大勝した神戸甲北戦の試合終了前、トライを取りきれなかった石見智翠館の選手が、苦笑いを浮かべるでもなく自分自身への悔し涙を流していたのは、向上心がある何よりの証拠だ。
　準決勝、そしてその先の戦いにチャレンジする石見智翠館は、ミスなくきっちりゲインするアタックを鍵とし、組織ディフェンスの奮闘で頂点を狙う。

　国内勢ではもう1チームが4強入り。プールBでは地元での初優勝を目指す福岡レディースが予選リーグで快進撃を見せた。初戦では、優勝候補の一角と目されたニュージーランドのハミルトンガールズハイスクールに22-21で逆転勝ち。ボールをすばやく大きく回すスピーディーなラグビーで強豪と互角に渡り合い、出足鋭いタックルでプレッシャーをかけ続けるなどディフェンス力も光った。そして、4点ビハインドの試合終了間際に、50メートル走6秒8の堤ほの花がハーフウェイから左タッチライン沿いを走り切り、逆転トライで劇的勝利をつかんだ。
　勢いづいた福岡レディースはその後、ロバートベイトマンセカンダリースクール（カナダ）を26-7で退け、神奈川県チームを32-7で下し、全勝でB組1位通過を決めた。
　全国高校選抜女子セブンズでは不在だったセブンズ日本代表の野田夢乃がチームに復帰して、うまく歯車がかみ合っていると平野勉コーチ。
「うまく切り返しをしてチャンスを作ってくれた。アタックにディフェンスに、みなよく走ったと思います。自分を信じて、仲間を信じてやってくれた」と選手たちを称えた。
　徳田謙介監督は、「コンタクトも負けていなかった。タックルしたあと2人目のプレーヤーの寄りが速かったので、オーバーがかなりできていた。ウィングに切り札がいるので、ターンオーバーから外を使えるようになったのが新たな強みになったと思う」と、1〜4位決定トーナメントに向けて手応えを感じていた。
　快速ランナーの堤ほの花は意気込む。
「強い気持ちを持って、走り勝つことをチームテーマに試合に臨んでいます。個人的に、去年の大会は遠慮していたわけではないんですけど、ボールをもらっても外で全然走り切れていなかった。今大会は、自分の強みをしっかり出せていると思います。自分でもボールを呼んで、みんなが回してくれたボールを持って走る。決勝トーナメントもがんばります。もちろん、自分たちの目標は優勝です」

＜決勝トーナメント組み合わせ＞
▼5〜8位決定トーナメント 1回戦
・11:00　ブリスベン ステート（豪州） vs.　ロバート べイトマン（カナダ）
・11:20　神戸甲北高校（兵庫） vs.　神奈川県チーム
▼1〜4位決定トーナメント 1回戦
・11:40　石見智翠館高校（島根） vs.　ハミルトン ガールズ（NZ）
・12:00　香港スポーツ　vs.　福岡レディース

▼決勝
・14:20