女子 2015.04.22

5月に福岡で“特別な”女子日本代表戦! 地元出身・候補選手の熱い思い

5月に福岡で“特別な”女子日本代表戦! 地元出身・候補選手の熱い思い

minami

女子15人制日本代表候補の南早紀。地元福岡でデビューなるか。
常に心に留めている言葉は、「努力は裏切らない。いつか実る」

 ラグビーワールドカップ2015でのベスト8入りを目指して強化を進めている日本代表は、5月上旬にホームで2試合を予定しているが、9日に福岡・レベルファイブスタジアムでおこなわれる戦いは、エディージャパンだけでなく、女子15人制日本代表にも注目してほしい。

 サクラフィフティーンの愛称で呼ばれる選手たちは、アジア女子最強のカザフスタン代表と対戦する(女子アジアラグビーチャンピオンシップ)。2006、2010、2014年女子ラグビーワールドカップのアジア予選で、女子日本代表に悔し涙を流させた因縁の相手だ。過去7戦全敗。女子ラグビーの国際大会が福岡で開催されるのは今回が初めてで、4月21日、同地で開催記者会見がおこなわれた。

 会見には、地元出身である女子日本代表候補選手の南早紀が出席した。筑紫高校出身で、現在は日本体育大学ラグビー部女子に所属している。7人制ではユースオリンピック・フェスティバルや、世界学生選手権、香港女子セブンズなどで国際舞台を経験しているが、15人制のインターナショナルマッチでプレーしたことはない。5月9日のカザフスタン戦に出場すれば、地元でのデビューとなる。

「3歳の頃からラグビーを始めました。2人の兄の影響です」と南。関西学院大の副将だった長男・祐貴と同じプロップで、常に前へ出る意識と低いタックルが持ち味だ。現在、立命館大4年のFL/CTBである次男・友紀にもアドバイスをもらいながら成長している。

「小学3年生から中3まで、ラグビーと並行して柔道もやっていたんです。柔道は福岡県大会でベスト8になったこともあり、県の強化指定選手に選ばれていました。でも、チームスポーツのラグビーに魅力を感じていた。個人の個性も活かされるスポーツだと思うし、1つのトライを取るためにチームで一生懸命ボールを前に運んでいくところが好きです。高校生になってからはラグビーに専念したのですが、私にとって、筑紫高校でラグビーをできたことが一番大きいと思っています」

 筑紫高校といえば、県内屈指の強豪校だ。2人の兄も在籍した同校ラグビー部で、南早紀は初めての女子選手として3年間を過ごした。現在も筑紫高には複数の女子ラグビー選手がおり、彼女はパイオニアだ。

 九州ラグビー協会の?田?会長によれば、九州における女子ラグビーの競技人口は約500人。同地区のラグビー関係者は、5月9日のサクラフィフティーンの試合が女子ラグビーのさらなる発展につながってほしいと願っている。

 福岡県ラグビー協会・女子委員長の徳田謙介氏は、「南選手のことは小学生のときから見てきた。福岡レディースという地元のクラブチームで一緒にラグビーをやってきたので、すごく期待している。後輩たちもスタジアムに応援に行くと思うので立派なプレーをしてもらいたい」とエールを送った。

「日本の女子ラグビーはひたむきに体を当て続けて、最初から最後まで走り続けるのが特徴なので、そこを見てほしい」と語ったPR南。セブンズも好きだけど、15人制の女子ラグビーももっと盛り上げたいと思っている。目標は、2017年の女子ワールドカップ出場だ。

「私のなかで、女子の15人制日本代表がワールドカップに出場したという記憶がない(2002年大会出場が最後)。だから、自分が代表に選ばれたときには必ずワールドカップに出たいです。その一歩として、カザフスタン戦に出場して勝ちたい」

 会見は、同席した稲垣純一・日本代表チームディレクターの言葉で締められた。
「男子の日本代表は現在、ワールドカップ2015に向けて、『我々は日本ラグビーの歴史を変えるんだ』という意気込みで、選手・スタッフ一同、取り組んでいる。女子の皆さんもぜひ、『自分たちが日本の女子ラグビーの歴史を変えるんだ』という意気込みを持って、今大会に臨んでほしい」

 5月9日(土)、女子日本代表×女子カザフスタン代表の試合は11時キックオフ。14時からは、男子の日本代表×韓国代表戦がおこなわれる。

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