セブンズ 2015.04.04

キーマン? いや、チームマン! レメキ、東京セブンズ8強入りに貢献

キーマン? いや、チームマン! レメキ、東京セブンズ8強入りに貢献

lemeki

世界のトップスターにも負けない活躍をしているセブンズ日本代表のレメキ ロマノ ラヴァ
(撮影:松本かおり)

 男子7人制ラグビー日本代表は4日、HSBCセブンズワールドシリーズ(SWS)の第7ラウンド、日本大会(東京セブンズ)の1日目に参加。4チームからなる予選プールDを1勝1敗1引き分けで終え、2000年4月の日本大会以来となるSWSの8強入りを決めた。

 今季のSWSでコアメンバー中最下位と苦しむチームが、15年ぶりの8強入り。瀬川智広ヘッドコーチに「攻守の要」と称えられたのは、レメキ ロマノ ラヴァだった。

 まず、サモア代表との2戦目。アルゼンチン代表戦を14-14で引き分け、必勝を期して臨んだ一番である。

 キックオフ直後、人垣へ突っ込むロテ トゥキリ ダウラアコをほぼ真後ろから援護する。約60メートルを駆け抜ける。追いすがるタックラーをハンドオフで振り切り、楕円球をインゴール右隅へたたきつけた。先制トライを挙げた。

「あそこは、ロテが相手を3人、4人と引きつけていたから。サモアのスイーパー(最後尾の守備)の選手は、足が速い。僕はスピードでは敵わないから、フットワークとハンドオフを使いました」
 
 続く4分には、敵陣中盤左の自軍ボールスクラムから出た球を中央で受け取り、対面の守備をかわす。右のスペースへのラストパスで、大外の松井千士 のトライを演出した。コンバージョン成功もあり、スコアを12-0とした。レメキはただただ、止めを刺した20歳のランナーを褒めちぎっていた。

「松井は足が速い選手。フューチャースターになるね」

 フランス代表に19-24で屈した予選プール第3戦でも、レメキは歓声を浴びた。前半6分には横殴りのタックルにも「もう少しでトライなのに倒れたらもったいない」と直進。そのままインゴールへ飛び込んだ。後のコンバージョンも決めたチームは、14-12と一時勝ち越しに成功した。

 初日、全チーム最多タイの4トライを挙げたレメキは、こう振り返るのだった。5日のカップトーナメント初戦では、今季SWSで現在2位のフィジー代表とぶつかる。

「もし自分がノートライでも、3試合とも勝っていたらその方がいい。ベスト8はハッピーだけど、まだ明日もある。ベスト4にも、決勝にも行きたい。フィジーにはチャレンジじゃなく、勝ちに行く」

 身長179センチ、体重95キロと、日本に来る国外出身選手では小柄だが、守っても相手ボールの接点で球出しを遅らせるなど八面六臂の働きを示す。サモア代表戦で好パスを受けた松井にも、こう信頼される。

「常にサポートをしていて、チームが一番しんどいところで強いプレーをしてくれる」

 昨年に日本国籍を取得した26歳は、こう、笑うのだった。

「自分がキーマン? キーマンじゃない。チームマンなだけで、たまにラッキーマン、かな」

(文:向 風見也)

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