オフはJISSで古傷ケア 矢富、2大会ぶりのW杯へ「1日1日、全力で」
日本代表として14キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)を持つSH矢富勇毅は、現在、東京・国立スポーツ科学センター(JISS)に滞在中だ。見据えるのは、9月開幕のワールドカップ(W杯)出場である。
4年に1度のW杯での準々決勝進出を目指す日本代表は、4月6日から宮崎で合宿を始める。フル回転を期し、SH矢富はいまのオフシーズンも有効活用する。「今週の頭から来週の末まで」の間はJISSに滞在。古傷のリハビリとさらなる鍛錬に時間を割く。
「膝のコンディション調整をして、万全の状態で(来季に)臨めるように。それと、オフになるとチームとして活動するのもなかなか難しい。(その間)しっかりした方に(身体を)見てもらいたいと相談して、決めました」
2011年に右膝、2012年に左膝の前十字靱帯(じんたい)を断裂した。「一時は、本当に、ラグビーをどうしようかな、と思うこともあった」。選手生命の危機を乗り越え、昨秋、5年ぶりの代表復帰を果たしている。ヤマハの一員としても、チームの日本選手権優勝に貢献した。
「すごく充実したシーズンだった。これを継続して、同じようにジャパンでもできていけばいいな、と。ただ、変わらず、先を見ず、1日1日を全力でやっていくという気持ちも大事だと思います」
取材に応じたのは21日、スポーツ専門チャンネル「J SPORTS」の都内スタジオである。シックスネーションズ(欧州6か国対抗戦)のスコットランド代表×アイルランド代表戦(マレーフィールド/40-10でアイルランド代表が勝利し、2連覇達成)のゲスト解説を直前に控え、矢富は共演者とリハーサルを重ねていた。W杯でジャパンと対戦予定のスコットランド代表に関し、「結果は出ていない(今季のシックスネーションズは5戦全敗)ですけど、いいラグビーはしている。チームとしての力は上がっているな」と語っていた。
飛躍のシーズンを終え、いまは2007年のフランス大会以来のW杯出場を目指す。
「まず初戦。ここで自分たちの力を出せるような準備、気持ち作りをしていきたい」
今度のイングランド大会の初戦では、世界ランク2位の南アフリカ代表とぶつかる。