国内 2015.02.15

学生王者の勇ましきチャレンジ終わる。 帝京大、東芝に惜敗

学生王者の勇ましきチャレンジ終わる。 帝京大、東芝に惜敗

nagare

帝京大での戦いを終えた流大キャプテン(撮影:高塩隆)

 2014年度、第52回日本ラグビーフットボール選手権大会の1回戦でNECグリーンロケッツを下し、打倒トップリーグ勢の目標を達成した学生王者の帝京大は、15日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれた同大会の2回戦で東芝ブレイブルーパスに挑んだが、24-38で敗れた。
 それでも、トップリーグ優勝5回の戦績を持つ強豪相手に最後まで食らいつき、見せた勝利への執念は称賛に値する。若人たちのチャレンジは、日本ラグビー界を間違いなく刺激した。

 前半36分まで東芝が21点をリードした。序盤にSH小川高廣が抜けて先制し、CTBリチャード・カフイ、WTB大島脩平がわずかな隙を見逃さずトライを重ねる。
 この日、東芝の10番をつけたのは森田佳寿。2011年度の帝京大主将が後輩たちに放った強烈なタックルも、チャレンジャーをリスペクトした全力プレーだった。

 37分、帝京大に得点チャンス到来。松田力也が狙ったPGはゴールポストに跳ね返されたが、そのボールを確保して右へ展開し、途中出場のCTB濱野大輔がインゴールに飛び込んだ。

 5-21で迎えた後半も、フィジカルの強さ、経験で勝る東芝に連続トライを決められた帝京大。それでも気持ちを切らさず、55分(後半15分)、激しいタックルからボールを奪ってテンポよくワイドに展開し、19歳のWTB尾崎晟也が右タッチライン沿いを振り切ってゴールへ駆け込んだ。

 その後、スクラムでプレッシャーをかけられ再び突き放されたものの、67分、ゴール前でFW突進を繰り返したあと中央から左へすばやく回し、関東大学対抗戦歴代最多トライゲッターのWTB磯田泰成が本領を発揮。
 76分には相手がパスを乱したところでボールを奪い、すばやく左へ振って磯田が連続トライを挙げた。

 学生王者は本気で勝利をめざし、決してあきらめなかった。トップリーグ強豪との差は14点。ラスト約3分間も勇ましく攻め、タックルし続け、そして、濃密なシーズンの終わりを告げるファイナルホイッスルを聞いた。

「このレベルの相手とも勝負できる。それが現実になってきた。学生たちはたくさんのことを学んだと思う」と試合後に語った帝京大の岩出雅之監督。
 東芝の冨岡鉄平ヘッドコーチは、「非常にすばらしいチームでした。接点でも十分にトップリーグチームと戦えていたし、決定力のあるバックスもすばらしかった」と学生チャンピオンチームを称えた。

 日本選手権2回戦のもう1試合は、サントリーサンゴリアスが神戸製鋼コベルコスティーラーズに22-10で勝った。
 10-10で迎えた後半早々、サントリーのSOトゥシ・ピシがキックチャージしてからFLツイ ヘンドリックにつなぎ、勝ち越し。67分には途中出場のPR垣永真之介が力強い突進でゴールラインを割り、勝利を引き寄せた。
 優れた判断力とスキルを持ち、世界最高峰SHのひとりといわれるフーリー・デュプレアも絶好調のサントリーは、22日に大阪・近鉄花園ラグビー場でおこなわれる準決勝でトップリーグ王者のパナソニックワイルドナイツに挑む。
 帝京大を破った東芝は準決勝で、今季トップリーグ2位のヤマハ発動機ジュビロと対戦する。

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