国内 2014.12.29

サントリーが大敗で5位転落 ヤマハはプレーオフ進出圏内へ再浮上

サントリーが大敗で5位転落 ヤマハはプレーオフ進出圏内へ再浮上

JP

松島幸太朗を振り切ったJP・ピーターセン。
サントリーは2敗目を喫し、パナソニックの背中が遠くなる(撮影:大泉謙也)

 

 ジャパンラグビートップリーグは週末、セカンドステージの第5節が終了。プレーオフスポットをめぐり激しい上位争いが繰り広げられているグループAでは、サントリーがパナソニックに大敗して5位に転落した。
 東芝、神戸製鋼、ヤマハ発動機は勝ち、4位以上に入っている。

 パナソニック×サントリーの試合は28日に群馬・太田市運動公園陸上競技場でおこなわれ、5トライを挙げたパナソニックが45-8と圧倒した。
 前半20分、CTB林泰基がタックル後にボールをもぎ取り、FWが中心となってハーフウェイから敵陣22メートルライン内まで前進。テンポよく右へ展開し、SOベリック・バーンズ、CTB林で穴をあけ、最後は13番のJP・ピーターセンがチーム最初のトライを決めた。
 序盤にPGで先制していたサントリーは22分、SOトゥシ・ピシがグラウンド中央から抜け出て50メートルを走り切り、再びリードを奪う。
 しかしパナソニックはPGで追いついたあとの31分、WTB山田章仁がインターセプトから80メートル独走トライを決め、流れを変えた。
 18-8で始まった後半早々も、パナソニックはバーンズ、NO8ホラニ龍コリニアシなどが力走し、サポートも次々についてピーターセンがフィッシュ。連覇を狙う野武士軍団のサポート力は43分(後半3分)にも発揮され、58分にはピーターセンがインターセプトから80メートルのロングランでハットトリックを決め、勝負あった。
 パナソニックは4勝1敗(総勝点24)となって首位をキープ。3勝2敗のサントリーは総勝点17を増やすことはできず、前節終了時の2位から大きく順位を下げた。
 なお、このゲームで先発したサントリーのHO青木佑輔は、リーグ戦通算100試合出場を達成している。

 サントリーに替わって2位に躍り出たのは東芝だ。東京・町田市立野津田公園陸上競技場でキヤノンと対戦し、31-10で勝利。4トライを挙げてボーナスポイントも獲得し、4勝1敗の総勝点21となった。
 東芝は10-10で迎えた前半28分、ゴール前で得たペナルティからCTBリチャード・カフイが速攻で自ら切り込み、勝ち越す。60分にはWTB大島脩平が自陣からブレイクスルーしてゲインし、SH小川高廣、FLスティーブン・ベイツがサポートしてボールは再び大島の手に渡り、トライが生まれた。70分にはCTB仙波智裕が左隅に飛び込み、快勝。
 敗れたキヤノンは1勝4敗となって総勝点8は変わらず、4強入りは厳しくなった。

 3位に浮上したのは神戸製鋼。27日、兵庫・ノエビアスタジアム神戸でNTTコミュニケーションズを54-19と圧倒し、4トライ以上(8トライ)によるボーナスポイントも上乗せして総勝点を19に伸ばした(3勝2敗)。NTTコムはセカンドステージでいまだ勝星なしの5連敗。
 前半7分にPR山下裕史が相手からボールをもぎ取って先制した神戸製鋼。13分と21分にも敵陣深くで攻撃チャンスを得、身長208センチのLOアンドリース・ベッカーが連続でインゴールにボールをねじ込み、チームに勢いをつけた。36分にはゴールポスト前5メートルのスクラムから左へ展開し、SO山中亮平が優れたボディバランスでタックラーをかわしてチーム4トライ目を奪った。
 後半も神戸製鋼の選手たちはよく走り、FL前川鐘平らが攻守にわたって奮闘。FB正面健司と途中出場のPR安江祥光がトライを重ね、大勝となった。
 なお、この日8本中7本のゴールキックを決めたCTB山本大介も、トップリーグのリーグ戦出場が通算100試合に到達している。

 そして、ヤマハ発動機は27日にホームの磐田でトヨタ自動車を26-10で下し、3勝2敗で総勝点17としている(4位)。2勝3敗になったトヨタは、総勝点11から増やすことはできなかった(6位)。
 FLジャーン・デイセルをシンビンで欠きながらも相手FWのパワープレーをしのいでいたトヨタ自動車だったが、前半13分、ヤマハ発動機のHO日野剛志が壁に穴をあけ、先制する。さらにヤマハは32分、ブレイクダウンでターンオーバーしてから速いテンポで揺さぶり、SH矢富勇毅がギャップを突いてブレイクスルー、日野がサポートして連続トライを決めた。
 12-0で折り返したヤマハは、後半早々に反則の繰り返しでFWを1人欠いたが、10分間をよく耐え、攻めの姿勢も変わらなかった。そして65分、この日優勢だったスクラムでペナルティトライを獲得。69分には、フィールドに入ったばかりのWTBシアレ・ピウタウがSO大田尾竜彦のショートキックに素早く反応してファーストタッチでトライを奪い、勝負を決めた。

 残り2節。1月3〜4日の第6節では、東芝×ヤマハ発動機、NTTコム×サントリー、パナソニック×キヤノン、神戸製鋼×トヨタ自動車の試合が組まれている。

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