コラム 2014.12.01

関西学院大が5年ぶり優勝! 大学選手権でもONEになる

関西学院大が5年ぶり優勝! 大学選手権でもONEになる

 関西大学Aリーグは、11月30日、京都市の宝が池球技場などで第7節の3試合を行い、関西学院大が京都産業大に勝って全勝優勝を決めた。摂南大×近畿大は点の取り合いになったが、摂南大が終盤、WTB藤井雄大のトライで逆転勝利。6位を確定させリーグ残留を決めた。7位となった近畿大は、8位の大阪体育大(この日、天理大に敗れて全敗でリーグ戦終了)とともに、Bリーグ上位との入替戦(12月13日)に臨む。

 優勝決定戦となった関西学大×京産大の一戦は、快晴の宝が池球技場で午後2時にキックオフされた。前半の京産は、SH梁正秋キャプテンの正確なハイパントをWTB森田慎也らがしっかり追いかけてボールを奪い返すなど、キックを巧みに使いながら相手陣で長くプレーした。13分、森田のPGで先制し、その後、関学大陣10メートルライン付近で得たPKは徹底してPGを狙った。難しい位置もあって4本の失敗があったが、「僅差勝負に持ち込みたかったので」(京産大・元木由記雄ヘッドコーチ)と狙い続ける。PGを狙うたび、スタンドは静まり返り、まるで強豪国同士のテストマッチを見るようだった。

 対する関学は粘り強い組織ディフェンスで京産の攻撃を食い止め、前半17分、SO清水晶大のインゴールへのハイパントをLO原田陽平が押さえて、7−3と逆転。25分には、ゴール前のラインアウトからモールを押し込んで、FL鈴木将大キャプテンがトライし、12−3とリードを広げた。京産も1PGを加えて前半は、12−6で終了。

「前半は京産ペースだった。後半、もっとテンポを上げよう」(関学・野中孝介監督)。その声に応えて、関学の攻撃がテンポアップする。7分、11分、中井剛毅、中野涼の両WTBが連続トライで26-6とすると、18分、22メートルライン内に攻め込み、モールを押し込んで京産ディフェンス陣を集めておいて、右オープンへ。SO清水が右タッチライン際にいたWTB中井に30メートル以上のロングパスを通し、33−6とするトライ、ゴールで突き放した。

 スクラムで圧力をかけ、運動量豊富なディフェンスで粘り、多彩な攻撃でトライを奪う。攻守に安定感ある7戦全勝優勝だった。2009年以来の関西王者となった鈴木将大キャプテンは、報道陣にバランスのとれた戦いぶりをこう説明した。「僕らは入ったときから展開ラグビーを目指してきました。5年間のいろんなOBの想いの詰まったラグビーです」。

 今季の関西学大のスローガンは「ONE」。みんなで一つになる、という意味だ。この日の関西学大は、個人プレーに走ることなく全員で動き続けた。まさにスローガンを体現する勝利だったわけだ。「一つになれたとは思いますが、ここで満足せず、(大学選手権でも)ONEになっていきたい。このチームが大好きなので、一日でも長く、一緒にラグビーがしたいと思っています」(鈴木将大キャプテン)。

 30日の結果、関西大学Aリーグは、次の順位が確定した。1位:関西学大(7勝)、2位:京産大(5勝2敗)、6位:摂南大(2勝5敗)、7位:近畿大(1勝5敗1分け)、8位:大阪体育大(7敗)。天理大は4勝3敗でリーグを終えたため、12月6日の立命館大×同志社大の最終戦で、立命大が敗れると3勝3敗1分けになるため、立命大を越えて4位となる。同大は3位だ。立命大が勝った場合は、4勝で3チームが並ぶが、立命大は、「1分け」があるため、3位になり、4勝3敗の同大とで天理大は、当該対戦で同大が勝っているために、同大が4位で、天理大が5位なる。

(文:村上晃一)

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優勝決定戦となった関西学院大×京都産業大(撮影:毛受亮介)

【筆者プロフィール】
村上晃一(むらかみ・こういち) ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度西日本学生代表として東西対抗に出場。87年 4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーラン スの編集者、記者として活動。ラグビーマガジン、ナンバー(文藝春秋)などにラグビーについて寄稿。J SPORTSのラグビー解説も98年より継続中。99年、03年、07年、11年のワールドカップでは現地よりコメンテーターを務めた。著書に、「ラグ ビー愛好日記トークライブ集」(ベースボール・マガジン社)3巻、「仲間を信じて」(岩波ジュニア新書)などがある。BS朝日ラグビーウィークリーにもコ メンテーターとして出演中。

(上の写真:胴上げされる関西学院大のアンドリュー・マコーミックHC/撮影:毛受亮介)

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