タラナキが初のNZ王者! 来日間近のマオリ代表主将が2トライの活躍
ラグビー王国ニュージーランドの国内チャンピオンを決める、ITMカップ(地域代表選手権)プレミアシップ・ディビジョンの決勝が25日、ニュープリマスのヤロースタジアムでおこなわれ、ホームチームのタラナキが36−32でタスマンを下し、初優勝を遂げた。
前身大会のNPC、エアーニュージーランドカップを含めて過去30年、昨季まで6連覇していたカンタベリーを筆頭に、オークランド、ワイカト、ウェリントン、オタゴと、スーパーラグビーに多くの選手を輩出している“ビッグ5”が栄冠を回してきたが、スター選手の少ないローカルチーム同士がともに初制覇をかけて頂上決戦に臨んだ。
前半は互いに1トライずつ奪い、PGを2本多く決めたタラナキが16−10とリードして折り返す。
そして後半早々、タラナキのCTBチャーリー・ナタイがキックチェイスをあきらめずにバウンドボールを手にし、インゴールへ持ち込んでリードを広げた。3日後に来日するマオリ・オールブラックスの主将でもあるCTBナタイは、54分(後半14分)にも、自陣でのインターセプトから約60メートルを独走し、追加点を挙げてチームに勢いをつけた。
33−13と20点差をつけられたタスマンは、残り20分を切って1トライを返すと、71分にもゴール前で猛攻を繰り返し、6点差に迫る。昨季2部リーグ(チャンピオンシップ・ディビジョン)を制して1部に昇格したばかりのこのチームは、レギュラーシーズンを2位で終え、準決勝ではカンタベリーの連覇を止めた力をフルに発揮した。
しかし、タラナキは73分、この日ゴールキック成功率100%だったWTBコディ・レイがまたしてもPGを決め、9点差にして逃げ切りを図る。タスマンはフルタイム寸前に途中出場のSHビリー・ガイトンがインゴール右隅に飛び込んだが、もう、ミラクル劇を起こす時間は残っていなかった。
創部から129年の時を経て、初めて国内王者になったタラナキ。スタジアムを埋め尽くした約2万1000人のサポーターとともに、歴史的勝利を喜んだ。