NECは逆転負けで8強入りへ崖っぷち! B組は近鉄がジワリ
(撮影:Hiroaki. UENO)
ジャパンラグビートップリーグは21日、ファーストステージ第5節プールAの3試合がおこなわれ、昨季優勝チームのパナソニックが栃木・足利市総合運動公園で宗像サニックスを80−7と圧倒し、同組2位に浮上した(4勝1敗で総勝点19)。
この試合でリーグ戦通算100試合出場となったWTB北川智規がチーム12トライ中の4本を挙げる大活躍で、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれている。
前節終了時点でプールAの首位だったヤマハ発動機は同日、連勝して波に乗っていたクボタと新潟市陸上競技場で対戦し、28−28で引き分けた。後半、相手に2トライを奪われて逆転を許したが、終盤にラインアウトからモールで押し込み、FB五郎丸歩がコンバージョンを決めてドローに持ち込んだ。
両チームとも4トライずつ奪い、ボーナスポイントを獲得。ヤマハは総勝点19(3勝1分1敗)でパナソニックと並んだが、得失点差で3位に後退した。クボタは2勝1分2敗(総勝点11)。
宮城・石巻フットボール場ではNTTコミュニケーションズとNECがぶつかり、32-31でNTTコムが逆転勝利を収めた。NTTコムは2点を追う後半35分、新加入の元南アフリカ代表SOエルトン・ヤンチースが約30メートルのドロップゴールを決め、これが決勝点。チームは3勝2敗(総勝点16)となり、セカンドステージの上位グループに入るボーダーライン上、プールA・4位をキープしている。
NECは4連敗(今季通算1勝4敗、総勝点9)で、8強入りが厳しくなった。
プールAでトップに立ったのは東芝。土曜日に愛知・瑞穂公園ラグビー場で豊田自動織機と対戦し、35-10で快勝した。南ア代表の万能BK、フランソワ・ステインがトップリーグデビュー。キック、パスなどで世界クラスの片りんを示した。東芝は4勝1敗(総勝点20)。
敗れた豊田自動織機は1勝4敗(総勝点5)となり、同成績の宗像サニックスとともにセカンドステージの下位グループ(Bグループ)行きが決定した。
ファーストステージのプールBで苦戦が続くNTTドコモも、優勝争いから脱落した。20日、東京・秩父宮ラグビー場でキヤノンに10−24で敗れ、5連敗。全16チームのなかで唯一白星がなく、セカンドステージは下位グループで戦うことが決まった。
先制点を奪ったドコモだが、前半のラスト、トライランキングのトップを走る元オールブラックスのキヤノンFLアダム・トムソンが脚力を見せて今季6本目。キヤノンは後半、スクラムでペナルティトライを得たあとさらに2トライを重ね、5試合連続でボーナスポイント獲得となった。
キヤノンは3勝2敗(総勝点17)でプールB・3位。
ドコモが5連敗で苦しむ一方、神戸製鋼は開幕から無傷の5連勝。秩父宮で19日、サントリーとの全勝対決を29−22で制し、総勝点23となってトップ8(セカンドステージのグループA)入りをほぼ確実にしている。
日本代表候補に選ばれた神戸製鋼のCTB山中亮平が力強いランで後半の勝ち越しトライを演出し、精密な左足もエディー・ジョーンズ(日本代表ヘッドコーチ)へのアピールとなったに違いない。
神戸製鋼がサントリーを倒したのは2005年度以来。日本選手権を含めると、14戦ぶりの勝利となった。今季初黒星を喫したサントリーは総勝点18。
プールBでこの2強に続いていたトヨタ自動車だが、近鉄戦(20日/瑞穂)を31−38で落とし、同組4位に順位を下げた。24−28で迎えた後半29分、相手のモールを故意に崩し、ペナルティトライを近鉄に与えてしまったトヨタ自動車。終盤にCTBタウモエピアウ シリベヌシィがトライを挙げて再び4点差に迫ったが、同じくセカンドステージの上位グループ入りへ向けて必死な近鉄が逆転劇を許さなかった。
ともに3勝2敗。トヨタ自動車は総勝点16で、近鉄は同15となった。
開幕から4連敗だったリコーは、コカ・コーラを53−5と圧倒し、今季初勝利(20日/秩父宮)。気迫のこもったタックルで相手に1度しかゴールラインを割らせず、攻めては8トライを重ねた。この試合で18点(1T、5G、1PG)をマークしてマン・オブ・ザ・マッチに選ばれたFBピータース・ダニエルは得点ランキングで2位に浮上している。
今季、強豪のサントリー、トヨタ自動車と接戦を演じて台風の目になるかと思われたコカ・コーラだが、これで3連敗(1勝4敗、総勝点6)。リコーはボーナスポイントを手にして総勝点8となった。
トップリーグファーストステージは2週間のブレイクとなり、第6節は10月11〜12日におこなわれる。