神戸製鋼3連勝! コカ・コーラ相手に苦しむも、終盤にFWが圧倒
時計の針が60分を過ぎたとき、スコアはまだ5-0だった。過去、2季連続3位で、今シーズンも開幕から確実に勝点を伸ばしてきた神戸製鋼コベルコスティーラーズが、前半にラインアウトからのモールドライブで得点したが、コカ・コーラレッドスパークスが地元福岡のレベルファイブスタジアムで連勝をめざし、奮闘していた。9月6日、トップリーグ第3節。
前半、トップリーグ初代王者はハンドリングエラーなど、基本的なミスを連発した。自陣で戦う時間帯が続き、「ボールをキープしてキックアウトするだけが精いっぱいで、本当に何もできなかった」(神戸製鋼:LO伊藤鐘史ゲームキャプテン)。
神戸製鋼のギャリー・ゴールドHC(ヘッドコーチ)が予想していた通り、前半からコカ・コーラは魂のこもったパフォーマンスを続け、規律を守って食らいついた。
ハーフタイム、コベルコスティーラーズは「もっとシンプルに、力強く、セットプレーでプレッシャーをかけてエリアをとってアタックしていくこと」を確認する。
一方、レッドスパークスは3点でも入れることができれば流れを変えられたかもしれないが、グラバーキックを使ってトライ獲得と思われたシーンがオフサイドと判定されるなど、こちらも苦しい展開が続く。
「アンラッキーな部分もあって、我慢できずに犯してしまった反則でリズムが狂った。その後、体重差があるのでじわじわとプレッシャーを受け、相手にやりたいようにやらせてしまった」(コカ・コーラ:FL豊田将万キャプテン)。
先発FW8人の体重差は約40キロ。重い神戸製鋼には、後半から身長208センチ、体重121キロのアンドリース・ベッカーが加わり、パワーバランスはさらに変化する。
64分、神戸製鋼がモールで押し込みトライ。その4分後には、敵陣22メートルライン内のスクラムからサインプレーでWTB山下楽平が抜け出し、追加点。勢いは止まらず、73分にLOベッカーがインゴールに持ち込んで勝利を決定づけると、78分にはまたもラインアウトモールで5トライ目を獲得した。
結局、終盤にセットプレーの強さを発揮した神戸製鋼が31-0で勝利。
「神戸製鋼さんとウチの違いが、後半最後の20分間に出た。セット、特にラインアウトモールで押され、人を寄せられて、こちらは反則を繰り返す。ああいう状況を作らないようにしていきたい」と悔しさをにじませた山口智史監督。チームは1勝2敗(勝点5)と黒星先行で、次もFWが強いトヨタ自動車ヴェルブリッツとの試合だ(13日/佐賀・ベストアメニティスタジアム)。
勝ったゴールドHCの表情もやや厳しかった。「我々は非常に高いところを求めているので、今日の前半のパフォーマンスに関してはハッピーではないけれど、守り切ったからこそ自信を得て、後半は勇敢に戦った。よくやってくれたと思っている」。
神戸製鋼は3勝0敗(勝点13)でプールBのトップを走る。次戦は13日、山口・維新百年記念公園でNTTドコモレッドハリケーンズと対戦する。