海外 2014.08.13

南ア代表入りしたG・ライオンズの司令塔、腕骨折で今季カリーカップ絶望

南ア代表入りしたG・ライオンズの司令塔、腕骨折で今季カリーカップ絶望

MB

ゴールデン・ライオンズは数少ない南ア代表選手のマルニッツ・ボショフ(写真左)を失った
(撮影:Yasu Takahashi)

 125年目を迎えた南アフリカ最高峰リーグのカリーカップは、14地域の代表が集い、8月8日から熱戦が繰り広げられている。今年は大会フォーマットを再編し、1部リーグに相当するプレミア・ディビジョンは2チーム増で8チームが参加、2部リーグのファースト・ディビジョンは6チームが競う。

 プレミア・ディビジョンの開幕節でブルーブルズを41-13と圧倒し、3年ぶり11回目の優勝へ向けて好発進したゴールデン・ライオンズだが、今年のスーパーラグビーで脚光を浴び、6月のスコットランド代表戦で南ア代表デビューを果たしたSOマルニッツ・ボショフがその試合で右腕を骨折し、今大会中の復帰は絶望となった。
 地元メディアの『Super Sport』によると、ボショフは今週月曜日に手術を受け、全治約3か月と診断された。SOのライバルだったエルトン・ヤンチースは日本に飛んでNTTコミュニケーションズに加入したため、20歳のヤコ・ファンデルヴァルトやジンバブエ代表のガイ・クロニエが10番を争うこととなる。

 黒星スタートとなったブルーブルズだが、元南ア代表FLのデオン・ステフマン主将を中心に、5年ぶりの王座奪還を狙う。ブルーブルズに限らず、強豪チームは主力選手の多くが南ア代表での活動(南半球4か国対抗戦)を優先するため10月上旬までベストメンバーを揃えられないが、ブルズの選手層は決して薄くはない。
 
 カリーカップ史で優勝回数が最も多いのはストーマーズの母体であるウェスタン・プロヴィンス(WP)で、2年ぶり34回目のタイトル獲得を狙う今季は、開幕戦でイースタン・プロヴィンス(EP)に35-16で快勝した。7人制ケニア代表のスターであるWTBウィリー・アンバカなどが新たに加わり、スピードランナー揃いのバックスは厚みを増している。

 EPは2016年のスーパーラグビー再挑戦が決まったサザン・キングスの母体であり、ある程度の結果が求められる。指揮官は元オールブラックスの英雄、カーロス・スペンサー。選手にビッグネームは少ないが、元南アフリカ代表のFLルーク・ワトソンが主将を務め、2007年ワールドカップ優勝メンバーであるPRのCJ・ファンデルリンデや、南ア出身でイタリア代表になったSHトビー・ボーテス、近い将来のスプリングボックス入りが期待される20歳のWTBセルジール・ピーターセンなどがいる。

 昨年のチャンピオンであるナタール・シャークスは、かつてユースアカデミーに現日本代表BKの松島幸太朗(サントリー)が所属していたことでも知られる。第1戦ではGWKグリクアスと競ったものの、31-24で勝利を手にした。
 一方、昨季カリーカップでは最下位だったグリクアスだが、スーパーラグビー期間中に国内の2軍クラスや若手有望株が参加する大会、2014ボーダコムカップで優勝しており、番狂わせが期待される。

 5強3弱といわれる今年のカリーカップだが、昨年2部リーグを制してプレミア・ディビジョンに昇格してきたピューマズは開幕節で、スーパーラグビー経験者を多数抱えるフリーステート・チーターズを28-21で下し、いきなり波乱を起こした。
 7年ぶりの優勝を目指すチーターズは、南ア代表にもなった若き司令塔、ヨハン・フーセンのラシン・メトロ(フランス)移籍が痛く、ピューマズ戦では古巣に戻ってきたばかりのヴィリー・デュプレッシーが10番をつけた。

 レギュラーシーズンは10月11日まで続き、上位4チームがプレーオフ進出。10月25日に2014年の南アチャンピオンが決まる。

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