各国代表 2014.08.08

無念の引退から復活したジュアン・スミス 約4年ぶりに南ア代表復帰

無念の引退から復活したジュアン・スミス 約4年ぶりに南ア代表復帰

 左足のアキレス腱がボロボロになって、1年半前に引退を表明した男が、再び南アフリカ代表に戻ってきた。同国ラグビー協会は6日、ラグビーチャンピオンシップ(南半球4か国対抗戦)の開幕戦を膝の負傷で欠場することとなったLOヴィクター・マットフィールドの代わりに、69キャップを持つジュアン・スミスをスプリングボックスに追加招集したと発表した。かつて、名将ジェイク・ホワイトが「世界最高のブラインドサイドFL」と称賛した男だ。

 チーターズの英雄だったスミスは、2011年2月のブルズ戦(スーパーラグビー)で左アキレス腱を断裂した。同年のワールドカップ出場を辞退し、4度の手術と2年におよんだリハビリの末、2013年のプレシーズンマッチでフィールド復帰。が、久しぶりの試合で古傷を悪化させ、医師に「もうラグビーを続けるのは無理だ」と言われ、引退を口にする。しかし、スミスは完全燃焼していなかった。同年9月にフランスのトゥーロンで現役復帰。必死にプレーし、欧州タイトル(ハイネケンカップ)と国内リーグ(トップ14)の2冠獲得に大きく貢献した。

 ハードタックルを連発し、ブレイクダウンで激しくファイトする。昔から力強いボールキャリアーで、スピードやハンドリングスキルも衰えていないことをハイネケンカップ決勝のトライで証明した。運動量豊富なスミスはラインアウトスキルも高く、U21南ア代表時のポジションであるLOもカバーできる。

 実は、いくつも仕事をこなせるこの男を、南ア代表のハイネケ・メイヤー ヘッドコーチは遅かれ早かれ呼ぶつもりだった。今年6月のテストマッチシーズンは、トゥーロンでの激闘を終えたばかりのスミスには休養が必要と判断し、招集を見送っていたが、ピーター=ステフ・デュトイ、フリップ・ファンデルメルヴァに続いてマットフィールドも負傷してセカンドローが手薄になったため、指揮官は33歳になったベテランに声をかけたのだ。

 グリーン&ゴールドのジュアン・スミス、再び。8月16日にプレトリアでおこなわれるアルゼンチン代表戦のメンバーに選ばれれば、約3年9か月ぶりにスプリングボックとしてプレーすることになる。当然、来年のワールドカップも視野に入ってきた。

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