【W杯オセアニア予選 現地リポート】 フィジーが圧勝! 歓喜のジンビ
(撮影:TORU IKEGAI)
後半39分、SHニコラ・マタワルがトライを決めてスコアは100点を超えた。フィジーは残り時間も攻め続け、ファイナルスコアは108-6。2760人の地元ファンが詰めかけたラウトカのチャーチルパークが沸いた。
2015年にイングランドを中心に開催されるワールドカップ。同大会への出場権を懸けたオセアニア地区最終予選が6月28日におこなわれ、フィジーがクック諸島に大勝した。大舞台への出場は、これで5大会連続7回目となる。本大会では、オーストラリア、イングランド、ウエールズ、プレーオフ勝者と同じプールAで戦うことになった。
開始1分にFBメトゥイセラ・タレンブラがトライを決め、快調な滑り出しを見せたフィジー。しかし、その後は相手の抵抗もあってハンドリングエラーを連発して、前半25分過ぎまでは5-6とリードを許す。NO8にNTTドコモ所属のスティーブン・ステファノを起用したクック諸島は、モールを組んで反則を誘ったり、できる限りの仕掛けでペースをつかみ、SOサム・ヴァエヴァエが2PGを決めた。
しかし、必死の抵抗も長続きはしなかった。
クック諸島のタックルが甘くなった前半29分、フィジーは自陣から攻める。WTBワイセア・ナヤザレヴ、CTBネマニ・ナドロ(NECグリーンロケッツ)、SHネミア・ケナタレとつないで逆転トライ。31分にCTBアサエリ・ティコイロトゥマのトライで追加点を奪うと、33分、41分にもCTBナドロ、WTBワティソニ・ヴォトゥがインゴールに駆け込み、29-6としてハーフタイムを迎えた。
後半に入ると、さらにフィジーのトライショーは加速した。24分にFBタレンブラがドロップゴールを決めるまでに4トライを重ねると、ラスト15分で8トライを荒稼ぎする一方的な内容に。結局、合計17トライを奪う猛攻だった。
フィジーのジョン・マッキー ヘッドコーチは、もたついた序盤を「クック諸島の気迫に押されてハンドリングエラーで自滅しかけた」と振り返ったものの、その後のパフォーマンスには笑顔を見せた。
「5-6と逆転されてから、選手たちは落ち着いて気をとりなおしてくれた。後半は我々の強みであるフレアーが存分に出せた。先週のサモア戦はスクラム、ラインアウトとも劣勢だったが、今日はよかった。まずは秋の欧州遠征に向けて強化を進めていきたい」
試合後には、モセセ・ラウルニBKコーチが勝利のジンビ(ハカ)をリードし、ファンの声援にこたえた。秋にはフランスとのテストマッチも決定し、3度目のワールドカップ準々決勝進出へ向けて強化を進めていく。