「FWがズタズタに…。闘争心を植え付けたい」 セコム 山賀スクラムコーチ
(撮影:見明亨徳)
2014年シーズン、ともにトップリーグ再昇格をかけてトップイーストDiv.1で争うセコムラガッツと横河武蔵野アトラスターズが5月25日、横河電機グラウンドでオープン戦をおこなった。結果は47-21で横河武蔵野の勝利。
前半、セコムが横河の反則から2回、ゴール前ラインアウトへつなげるも、モール内のノックオンなどで得点機会を逸した。
対する横河は23分、反則から素早く展開し、WTB趙顯哲(チョウ・ヒョンチョル)が先制トライを奪う。36分はセコムゴール前ラインアウトからフォワードで押し込み追加点。2分後にはセコムのノックオンからターンオーバーし、再びWTB趙がゴールラインを越えて21-0とした。
セコムは40分、ようやくボールがつながりWTB石橋秀基がトライを挙げ、21-7で前半を終えた。
後半、先に点を取ったのはセコム。10分、キックから横河を崩してWTB益子仁紀が右ライン際を走り切り、21-14と詰め寄る。
しかし、横河は15分にスクラムから展開し、CTB金澤省太郎が切り込みトライを奪って差を広げた。そして21分と27分にゴール前ラインアウトを得てモールで連続トライ、勝負を決めた。
試合後、セコムの山賀敦之スクラムコーチ(PR兼任)が横河に頼み、両チームがライブスクラムで真剣勝負が実現した。20分間、組み続けた。横河はセコムボールを押し込み奪う。結果は横河が制圧した。
「ズタボロ(ズタズタボロボロ)でした」と山賀コーチ。「押されるのはわかっていた。うちは実戦でしかスクラム練習ができないので、ライブスクラムができるのはありがたい。選手には『プライドと闘争心』を植え付けたい。オープン戦はすべて、試合後に相手にスクラム練習をお願いしている」と、スクラムに誇りを持つコーチはスクラム再建を進める。
なお、この試合は横河武蔵野の今季初戦。ルーキーのSO川村航が後半から司令塔としてデビューした。昨年度の全国地区対抗大学大会で初優勝した東京学芸大の司令塔。青森北高3年時には花園の土を踏んでいる。
「社会人はスピード、パワー、スキルすべてレベルが高い。先輩に追いついていくのがやっと。教師の道もありましたが高いレベルでラグビーを続けたいという希望があり、合同練習をしている横河に相談したら採用してくれた。いまは仕事とラグビーの両立に覚悟を持ち、プレーする先輩を見習いたい」という。
川村から相談を受け採用した佐藤幸士チームディレクター(元監督)は、「体を鍛えるのが最初。まだ高いレベルのラグビーを経験していないが、両足で蹴れるしパスの筋もいいので、ゲームメークを覚えれば楽しい存在」と期待する。
(撮影:見明亨徳)