海外 2014.05.26

スーパーラグビー参入への意志固める。「ほぼジャパン」で南ア勢へ挑む。

スーパーラグビー参入への意志固める。「ほぼジャパン」で南ア勢へ挑む。

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世界トップクラスのスターが集うスーパー舞台に、日本チームの参入なるか
(撮影:AKIHIO HAYANAMI)

 日本ラグビーのスーパーラグビーへの参入意志が明確になった。日本ラグビー協会は5月26日に理事会を開き、2016年からチーム数を拡張する同大会へ参加する意志を表明することについて承認をとった。
 現在、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカのスーパークラブ15チームで戦いを繰り広げているスーパーラグビーは、2016年から18チームで戦うリーグにすることを決めている。すでにアルゼンチン、南アフリカから各1チームの参加が決まっており、残る1枠に関しては未確定となっていた。リーグを運営するSANZARはその枠に関して、日本協会に打診。それを受け、6月に参加意思表明書を提出することを今回の理事会に諮った。

 2019年の自国ワールドカップ開催に向けて駆け足で強化を進めたい日本ラグビー。近年、ウエールズやオールブラックス、スコットランドなどティア1国とのテストマッチを組み、この先も対戦を実現していく予定だが、そのマッチメイクは思うようにならないのが現実だ。
 世界との距離を詰めていきたい日本ではあるが、テストマッチ数を増やして強化を進めていくには限界がある。その現実のなかで残された手は、スーパーラグビー参入しかなかったといっていい。その思いを持って調査を進めていた日本協会と、SANZAR側の思惑が一致、現在の流れに至った。

 数人の日本代表選手がスーパーラグビーの舞台でプレーする現在。この先、その数がどれだけ増えるか見通しは立たず、今後、その行方を見守っているだけでは手遅れになる。だから、「ジャパンの強化に直結するチームを編成して、ティア1国との対戦に匹敵する経験を積むことができるスーパーラグビーに参戦したい」と矢部達三専務理事は語った。そのときのジャパン、ほぼジャパン、将来ジャパンになりそうな選手(外国人選手含む)たち。チームを構成するのは、そういった層だ。南アフリカ・カンファレンスで戦うことが決まっており、その陣容で最初から互角に戦うことができるかどうか見通しは明るくないが、『助っ人』的外国人選手の起用はジャパン強化の面から考えても避けられるか、最小限にとどめられるはずだ。

 参加意思証明書を6月に提出したあとは、8月15日に定められている申請書提出期限に向けて準備を進める。財政面についての試算、トップリーグ各チームへの説明、日本協会選出チームについての新規約の制定など、やるべきことは多い。財政的に苦しい見込みしかない場合は参加意思を取り下げることもあるとは言うけれど、強化の視点から考えれば、切り札的強化策の実現に不退転の決意で構想を進めていくことになるはずだ。

 シンガポール、香港なども興味を示しているスーパーラグビー参入レースに決着がつくのは9月が予定されている。普段からSANZARの要職に就く人々と交流のある矢部専務理事の感触は、「6:4で大丈夫」とのことだった。

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