セブンズ 2014.03.20

「年に10か月は、このチーム」。セブンズ南ア代表、高校生と触れ合う。

「年に10か月は、このチーム」。セブンズ南ア代表、高校生と触れ合う。

SA

本郷高校でラグビークリニックを行ったセブンズ南アフリカ代表のカイル・ブラウン主将
(撮影:松本かおり)

 「ブリッツ・ボッカ(Blitz Bokke/チームの愛称)」が今年もやって来た。今回で3年連続3回目だ。
 『TOKYO SEVENS 2014』への参加のため来日中のセブンズ南アフリカ代表が3月19日、東京・巣鴨の本郷高校を訪れた。チームウェアを『asics』がサポートしていることもあり、今年は同社から高校生たちにTシャツのプレゼントも。お揃いのシャツを身にまとって、選手たちからラグビークリニックを受けた。

 なんとシアワセな時間なんだ? 選手たちの熱心な指導もあって、1時間弱のクリニックはあっという間に過ぎた。
 このクリニックの特徴は、わかりやすさだ。ディフェンスに自信を持つチームだけに、ブリッツ・ボッカの選手たちは「コミュニケーションの大切さ」を高校生たちに伝える。そして、高校生たちともよく話す。好プレーには声をかけ、練習の雰囲気もグッド。ともにハッピー−な時間だった。

 東京大会で今季6大会目となるセブンズ・ワールドシリーズ2013-2014。ネルソン・マンデラ元大統領が亡くなった直後の地元・南アフリカ大会(第3戦)、そして第4戦のアメリカ大会と連続して優勝したブリッツ・ボッカは、今季総合成績で2位につけている(ニュージーランドが1位)。アメリカ大会では6試合で失ったトライは2つだけと、安定感あるディフェンスがチームを支えている。
 クリニックを終えたカイル・ブラウン主将も、「自分たちの強味は組織力の高いディフェンス」と語った。同じプールBに入った日本については「以前戦ったとき、思っていたより体が強く、当たりも激しかった」と語った。今回は経験豊富なセシル・アフリカを怪我で欠くメンバーも、ゲームメーカーのブランコ・デュプレアは健在。昨年の大会でチームを頂点に導いたフランキー・ホーンもメンバーに入り、リーダーシップの高い選手が揃う。

 ちなみにブラウン主将はもともとウェスタン・プロヴィンスでプレーし、15人制でも将来を嘱望されていた選手。ブラインドサイドFLとしてプレーしていたが、現在はセブンズに特化して活動を続けている。
 「2008年シーズン以降はセブンズに専念している。ニール(今季からヘッドコーチに就任したパウエル・ヘッドコーチ)は髪がグレーだからずいぶん年上に見えるだろうけど(笑)、僕がセブンズのスコッドに加わった頃はまだ選手として、一緒に戦った人なんだ。先輩として、チームのことやセブンズのことをいろいろ教わった」
 ステレンボッシュのトレーニング施設を拠点に、トレーニングやツアーで、1年のうち10か月ほど生活をともにしているチーム。現在は20名ほどがセブンズ専属として南アフリカ協会と契約して強化を進めている。
 セブンズ日本代表の前に立ちはだかる強大な壁には、参考にすべきこともたくさん詰まっている。

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