国内 2014.02.02

「我慢」したサントリーが神戸製鋼を下す。 トップリーグ3連覇へ王手!

「我慢」したサントリーが神戸製鋼を下す。 トップリーグ3連覇へ王手!
<トップリーグ 2013−2014 プレーオフトーナメント セミファイナル 2>
神戸製鋼 19 − 27 サントリー
(2014年2月2日/東京・秩父宮ラグビー場)

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捕まりながらもなかなか倒れないサントリー主将のLO真壁(撮影:松本かおり)

 ゴールラインを背にしての分厚い守り。あちこちのブレイクダウンでは、背番号6を筆頭に何度もターンオーバーした。そして、フルタイム直前のスクラムでのひと押し。大久保直弥監督は「どうして勝ったかわからない」と苦笑したが、勝利を手にする理由は確かにあった。
 2月2日におこなわれたトップリーグプレーオフトーナメントのセミファイナルでは、サントリーが神戸製鋼を27−19で破った。2月9日、パナソニックとファイナルで戦う。

 個々の能力の高さを見せつけたのは神戸製鋼の方だった。先制トライ(前半7分)は真紅のジャージー。ラインアウトからのアタックで、縦に横に、大きくボールを動かす。SO正面健司が自ら走り、インゴールに駆け込んだ。
 アタックを長く。この試合のテーマをそう定めた神戸製鋼は、アグレッシブな姿勢を示し続けた。しかし、攻め続けるための精度が足りなかった。
「あちらのプレッシャーもあってミスも出たし、多くあったキツイ時間のコミュニケーションも足りなかった」
 敗れた橋本大輝主将(FL)は、そう振り返った。

「我慢」
 サントリーの真壁伸弥主将は、苦しい中で勝利をたぐり寄せることができた理由をそう言った。
 前半18分、FLジョージ・スミスが奪ったトライは、キックの応酬後の攻防をしつこく守り、ターンオーバーしたところから始まった。すばやく反撃し、分厚いサポートでトライラインを越えた。30分のSO小野晃征のトライも、何度もフェーズを重ねた後に切れ込んだ。

 我慢は、14−12で迎えた後半も続いた。
 神戸製鋼が長い時間攻め続けた。黄色いジャージーは、トライラインを背にして何度もモールに耐え、サイド攻撃に体を張る。ミスを誘う。ターンオーバーでボールを手にする。残り17分でトライ、コンバージョンを許して17−19と逆転を許したときも、守りに守った末だった。しかもCTBニコラス ライアンをシンビンで失っていたから、14人で動き続けた後の失点だった。
 だから、その直後には相手も疲れていた。決勝点となるトライをNO8小澤直輝が決めたのは、失トライの3分後だ(22−19)。
「最後まで、自分たちの強み、色を出そうという気持ちを最後まで持てたから勝てたと思う」
 真壁主将がキッパリ言った。殊勲の小澤も「相手がいたけど、自分の持ち味は、コンタクトが起きた後も前に出ること。だから、それをやっただけ」と語り、主将の思いと重なった。

 1週間後には、セカンドステージで13−42と完敗したパナソニックと戦う。司令塔の小野は、「ロースコアの勝負になると思う。それがファイナルラグビーですから」と言った。「最高の舞台で、最高のパフォーマンスを」
 監督も主将も、最高の準備となる1週間を過ごすことを誓った。

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