国内 2014.01.01

東福岡、秋田工、天理、報徳学園が準々決勝進出。石見智翠館はトライ数で涙

東福岡、秋田工、天理、報徳学園が準々決勝進出。石見智翠館はトライ数で涙

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秋田工のピンチを救ったWTB佐々木修弥。インターセプトから約90メートルを走り切った
(撮影:松本かおり)

 大阪・近鉄花園ラグビー場を舞台に熱戦が繰り広げられている第93回全国高校ラグビー大会は、1月1日に3回戦が行われ、準々決勝に進む8チームが決まった。

 優勝回数最多(15回)の戦績を持つ秋田工は、同じBシード校の長崎南山に14−12で競り勝った。前半10分にFW突進からの素早い左展開で先制すると、2点差に迫られたあとの後半10分には、高校日本代表候補のWTB佐々木修弥がインターセプトで約90メートル独走トライ。長崎南山はNO8岩永健太郎キャプテンを中心に初のベスト8を目指し食い下がったが、秋田工の正確なタックルに足を止められた。
 4回目の花園挑戦を終えた長崎南山の市山良充監督は、「秋田工業は予想以上にフィジカルが強く、ディフェンス能力が高かった」と語った。

 2季ぶりの王座奪還を目指す東福岡は、42−19で日川(山梨)を退けた。個々の能力が高いモスグリーン軍団に対し、ひたむきに前へ出て粘り強くタックルをし続けた日川だったが、岡昌宏監督が「ここという場面でディフェンスのポイントがズレて、そこでやられてしまった」と語ったように、東福岡の攻撃力はその上を行った。

 6年ぶりの花園で古豪復活を印象づけている天理(奈良)は、12−10で流通経済大付属柏(千葉)に競り勝った。5点ビハインドで折り返した天理は後半12分、敵陣22メートルライン付近でのラインアウトからモールで押し込み、ゴール成功で逆転。流経大柏はロスタイム、ゴール前ラインアウトを失敗するも、ボールキープでフェイズを重ねてWTB和田垣城が右隅のインゴールに飛び込んだが、天理は必死の守りでグラウンディングを許さず、直後に試合終了の笛が鳴った。
 「ちょっとしたミスでこういう結果になった。天理の集中力は高かった」と流経大柏の松井英幸監督。

 日本代表のエディー・ジョーンズHCも注目のCTB梶村祐介がいる報徳学園(兵庫)は、昨年度ベスト8の石見智翠館(島根)と激闘。20−20でノーサイドの笛が鳴ったが、トライ数で上回った報徳学園が準々決勝進出となった。3トライを挙げた報徳学園に対し、石見智翠館はフルタイム1分前にモールから2トライ目を奪ったが、ラストワンプレーで逆転劇は生まれなかった。
 負けずして花園を去ることになった石見智翠館の安藤哲治監督は、「茗溪戦の後、だいぶ疲れていて、今日は後半の後半に足が止まった」と肩を落とした。

20-20

石見智翠館(青)と報徳学園の激闘はドロー(撮影:松本かおり)

<第93回全国高校ラグビー大会 3回戦 結果>
 
・東海大仰星(大阪第1) 63 – 0 名護(沖縄)
・東福岡(福岡) 42 – 19 日川(山梨)
・大阪朝鮮高(大阪第3) 36 – 7 目黒学院(東京)
・秋田工(秋田) 14 – 12 長崎南山(長崎)
・天理(奈良) 12 – 10 流経大柏(千葉)
・報徳学園(兵庫) 20 – 20 石見智翠館(島根)
・桐蔭学園(神奈川) 41 – 10 春日丘(愛知)
・大阪桐蔭(大阪第2) 34 – 17 佐賀工(佐賀)

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