国内 2013.11.25

ダイナボアーズ、トップイースト制す。勢い増して『次』へ。

ダイナボアーズ、トップイースト制す。勢い増して『次』へ。

SH

快進撃を続ける三菱重工相模原ダイナボアーズ。写真中央は、
この日3トライを挙げたSH芝本裕吏。御所工高卒12年目の生え抜き。

 トップリーグの下部に位置する地域3リーグのうち、東日本のチームが所属するトップイーストリーグ。昇格を目指すディビジョン1の戦いが大詰めを迎えた。

 上位を争う他チームが白星やボーナスポイントを少しずつ取りこぼす中、三菱重工相模原ダイナボアーズは開幕から唯一の7戦全勝。ボーナスポイントも全試合で獲得して首位を走る。
 勝点5を獲得すれば最終節を待たずして優勝が決まる11月24日の第8節、江戸川陸上競技場。対戦相手は今季ディビジョン1に昇格も、ここまで7連敗と苦しむセコムラガッツ。トップリーグ返り咲きに向けて突き進むダイナボアーズは攻撃の手を緩めることなく、15トライの猛攻を見せ完勝。勝点を40に伸ばしてトップイースト優勝を決めた。

 序盤から主導権を握ったのはダイナボアーズ。前半3分、5分と立て続けにトライを挙げて流れをつかむと、その後もセットプレー、ブレイクダウンで圧力をかけ続け、FW/BKが一体となった連続攻撃でトライを重ねた。SOスティーブン・ドナルドのゴールキックも100%の成功率で、前半を終えて56(8T8G)−0と大きくリード。ボーナスポイントも確保した。

 ハーフタイムを挟んでも勢いは止まらなかった。後半のキックオフ直後にはFL堀越健介がノーホイッスルトライを奪取。WTBシェーン・ウィリアムズが後半からの登場で3トライを挙げるなど、前後半計15トライを奪って今季最多の3桁の得点を叩きだした。
 時に細かなミスからゲインを許し、自陣で防御に徹するシーンも見られたが、ゴールラインを背負ったディフェンスでは高い安定感と集中力を発揮。ラガッツにトライを許さないばかりか、ペナルティゴールの機会さえ与えなかった。

 トップリーグから降格して6季目。これまで常にトップイーストの上位で戦いながら、頂点には届かなかったダイナボアーズ。待ちわびたはずの優勝にも、試合後の選手たちが喜びを爆発させることはなかった。
 高岩映善監督は「(優勝は)一戦一戦、積み上げてきた結果。まずは一つの目標を達成したということ。予定通り、です」と安堵の表情で語るも「まだ終わっていない。最終節、相手(釜石シーウェイブス)は後がない状況の中で挑んでくる。その中でいかに自分たちのプレーができるか。大切なのは心の部分」と兜の緒を締めた。

 トップイースト優勝は、あくまでも通過点。「きょう優勝を決めたことで、1週間早くトップチャレンジに向けたスタートを切ることができるのはありがたい。トップチャレンジは勝つか負けるか、接戦が想定される戦い。昨シーズンまではその接戦を落としてきた。今シーズンは、そこで勝ち切る戦いを」(高岩監督)。目的の場所は、まだまだ先にある。

 一方のセコムラガッツは開幕から8連敗。ディビジョン1の下位2チームとディビジョン2の上位2チームで争う昇降格順位決定戦への出場が決定した。
 安藤敬介監督は「上位との実力差を改めて感じさせられた」と振り返り「その中でも終盤には粘りを見せることもできた。選手たちは、スコアが離れてもあきらめないタフさを持っている。アタックの精度、フィジカルなどの一人ひとりのキャパシティを上げていく」と前を向いた。
「順位決定戦は、自分たちの居場所を守る戦い。1年で(ディビジョン2に)落ちるわけにはいかない。プレッシャーをはねのけて、この場所を守りたい」(安藤監督)

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