海外 2013.10.10

SBWショーにはうんざり!? 気が変わってラグビーリーグW杯出場へ

SBWショーにはうんざり!? 気が変わってラグビーリーグW杯出場へ


SBW


純粋なだけかも…。笑顔がステキなソニービル・ウィリアムズ
(撮影:BBM)


 



 ソニービル・ウィリアムズ(SBW)が世界最強軍団オールブラックスの一員になったばかりの頃、彼の実力について半信半疑だった人の一部では、「アイツは目立ちたいだけだ。ラグビーも、注目を集めるためのパフォーマンスにすぎない」と冷めた声があったと聞く。
 ラグビーリーグ(13人制ラグビー)のカンタベリー・ブルドッグスと5年総額250万豪ドル(約2億円)もの大型契約を結んでいたにもかかわらず、途中で勝手に、フランスのラグビーユニオン(15人制)クラブ、トゥーロンへ移籍してしまった。プロボクサーの顔も持つSBWは、2011年ラグビーワールドカップの3カ月前にボクシングリングに上がり、この件でも批判を浴びた。



 しかし、彼は本業でいくつもの大仕事をやってのけた。同ワールドカップでは全7試合に出場して優勝に貢献、翌年はチーフスでスーパーラグビー初制覇を果たした。パナソニックワイルドナイツでは怪我に泣いたが、古巣ラグビーリーグに戻った今年は、シドニー・ルースターズの中心選手として働き、栄冠に輝いた。



 ファンもメディアも称賛した。スーパースターはモテモテだ。
 だから、彼が「気が変わった」と言えば大騒動になる。



 10月8日、ラグビーリーグワールドカップ2013(10月26日から英国で開催)に臨む、13人制ニュージーランド代表のメンバー24名が発表された。今季活躍したソニービルの名前は、なかった。指揮官もセレクターも天才フットボーラーのスコッド入りを望んでいたが、ソニービルが「ほかに約束がある」と言って辞退したという。
 バカンスでリフレッシュし、チーフスに復帰して来年のスーパーラグビーに備えるつもりだろう。いや、100万豪ドルが懸かったボクシングバウトのオファーを受け入れて、数カ月以内にリングに立つつもりだ。などと、さまざまな憶測を呼んだ。



 2008年大会の初優勝に続いて、ラグビーリーグワールドカップ連覇がかかる13人制ニュージーランド代表の関係者は、スーパースター不在で動き出すはずだった。



 しかし、スコッド発表から数時間後、『シドニー・モーニング・ヘラルド』など一部メディアが、「SBWは心変わりして、ラグビーリーグワールドカップに出たいと言い出した」と報じた。
 それは、事実だった。彼はツイッターでつぶやいていた。
「国を代表するということが私にとってどれほどを意味するか、よく考えた。セレクションに私の名前を差し出すことを決めた。スコッドメンバーが発表されたのは知っている。でも、もし彼らが私を必要とするなら、ブラザーたちを助けたい」



 そして翌日、ソニービル・ウィリアムズの13人制ニュージーランド代表入りが発表された。スタッフの一部には、「彼はスコッドに対して敬意を欠いた」と不快感を表す者もいたようだが、世界一になるためにはソニービルの力が必要であり、指揮官は代わりに、経験を積ませようと思っていた21歳のルーキーを外した。
「トーフー(代表を外されたハリス)には本当に申し訳ない。しかし、意図してやったことではなく、自分の心に正直に動いただけだ。全力でプレーすることを約束する」と、現在の心境をうちあけたSBW。



 『ザ・ニュージーランド・ヘラルド』のインターネット世論調査では、約15,000回答のうち31%が「SBWショーに関心はなくなった」と答えた(10月10日0時現在)。信頼を少しでも取り戻すには、グラウンドでベストを尽くすしかない。



 ソニービル・ウィリアムズのラグビーユニオンへの再転向、そしてオールブラックス復帰についても論争は熱を帯びてきている。しかし、もしかしたら、今回のドタバタ劇と世間の反応が、去就騒動でも揺れるスーパースターの気持ちを、大きく変えるかもしれない。


 

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