ソニービル、13人制W杯の母国代表入り蹴った! 「ほかに約束がある」
ソニービル・ウィリアムズ。この太い腕で、次につかむものは何か
(撮影:松本かおり)
今月下旬から英国で開催されるラグビーリーグ(13人制)のワールドカップへ向け、8日、連覇を狙うニュージーランド代表のメンバーが発表されたが、元オールブラックスのソニービル・ウィリアムズはスコッド入りしなかった。本人が辞退したとNZメディアは伝えており、ラグビーユニオン復帰の噂が現実味を帯びてきた。
もともとラグビーリーグのスターだったソニービルは、2008年に別の楕円球競技であるラグビーユニオン(15人制)へ転向した。そして憧れていたオールブラックス入りを果たし、2011年母国開催ワールドカップで悲願の優勝を遂げ、2012年にはチーフスの中心選手としてスーパーラグビー初制覇に大きく貢献した。その後、パナソニックワイルドナイツに入団し、ジャパンラグビートップリーグを1シーズン経験したオフロードの天才は、今年から古巣のラグビーリーグ界に復帰。そして、シドニー・ルースターズで活躍を続け、先週末、NRL(豪州・NZ 13人制最高峰プロリーグ)のグランドチャンピオンに輝いたばかりだ。
次に彼が手に入れようとしているのは、ラグビーリーグワールドカップの栄冠だと思われていた。しかし、ソニービルはそれを最優先にはしなかった。
スコッド入りが有力視されながら、彼の名前が13人制ニュージーランド代表のリストになかったのは、本人の意向が考慮されたためと現地メディアは報じた。面談したヘッドコーチやセレクターに対し、「ほかに約束がある」といって代表入りを拒んだという。
再びラグビーユニオンに転向するための準備か?
相思相愛のチーフスへ復帰し、来年はスーパーラグビー3連覇と、ブラックジャージー奪回に燃えるのかもしれない。
だが、本当の理由は別にありそうだ。
ソニービル・ウィリアムズは、ボクシング愛好家としても知られている。プロライセンスを持ち、ニュージーランド・プロフェッショナル・ボクシング協会のヘビー級王座ベルトを巻いたことがある彼のもとに、先日、賞金100万豪ドル(約9200万円)が懸かったビッグバウトのオファーが届いた。今週木曜日に拳を交える本格派2人、ジョセフ・パーカー対アファ・タトゥプの勝者がソニービルの相手となり、試合は今年11月から来年2月の間に開催予定のため、彼はラグビーボールを置いて、ボクサーとして準備を始めなければならない。
ちなみに、2014年スーパーラグビーの日程も発表されたばかり。開幕は2月15日で、ソニービルの加入が噂されているチーフスは、翌週の21日にクルセーダーズのホームで第1戦を行う。