最強NZが勇敢な南アねじ伏せた! 2年連続全勝で南半球4カ国対抗戦優勝
オールブラックの指揮官に就任して以来、21勝1分1敗で勝率91%を超えたスティーヴ・ハンセンHC(写真左)。
隣にいる、セレクターのグラント・フォックス氏らとともに最強軍団を進化させている
(撮影:Yasu Takahashi / Nichigo Press)
南アフリカのジョハネスバーグで5日、ザ・ラグビーチャンピオンシップ(南半球4カ国対抗戦)の最終節、南アフリカ代表×ニュージーランド代表戦が行われ、世界ランキング1位のニュージーランド代表が38−27で激闘を制し、2年連続の全勝優勝を決めた。
やるか、やられるかの大勝負。
勝点5差をつけられながらも、王座奪還の可能性を残していた南アフリカが、慌てずにペナルティゴールで先制した。最初の20分間で、ニュージーランドのWTBベン・スミスが大会シーズン最多の8トライ目をマークすれば、南アのWTBブライアン・ハバナは快足と巧みなキックを使い、2連続フィニッシュ。元ニュージーランド代表のクリスチャン・カレンが持っていた大会通算最多トライ記録を塗りかえた(17トライ)。
しかし、その快挙達成から2分後、ハバナはボールキャッチの際に左太もも裏を痛め、ベンチへ退いてしまう。南アにとっては、この離脱が大きく響いた。
その後ニュージーランドが、FWのパワープレーとターンオーバーからの連続攻撃で、FLリーアム・メッサムが2度ゴールラインを越え、21−15と逆転して前半を終了した。
後半、WTBヴィリー・ルルーと主将のCTBジャン・デヴィリアスがトライを重ね、再びリードした南アだったが、60分、世界最強の黒衣軍団は、途中出場のSOボーデン・バリットが敵陣22メートルライン外から次々と抜き去り、再逆転。ニュージーランドは計4トライを挙げたことでボーナスポイント1点を獲得し、この時点で連覇が決まった。
栄冠を逃したものの、ホームで宿敵に負けるわけにはいかない南アフリカ代表は、その後も執念を見せたが、NO8キアラン・リードのトライで点差を広げたニュージーランド代表がラスト20分間を完璧に守り切り、38−27で激闘に決着がついた。
畏敬の念を込めて“オールブラックス”と呼ばれるラグビーニュージーランド代表は、2011年の地元開催ワールドカップで優勝したあと、わずか1敗しかしていない(2012年12月のイングランド代表戦: ●21−38)。今年は6月のフランス代表戦から数えて、連勝を9に伸ばした。
一方、打倒・オールブラックスの一番手と目される世界ランキング2位の南アフリカ代表“スプリングボックス”だが、ライバルとの対戦は、これで4連敗となった。
そして、南米のロサリオで行われた2013ラグビーチャンピオンシップの3位争いは、オーストラリア代表が54−17でアルゼンチン代表を圧倒した。ユーアン・マッケンジー体制になって日が浅く、再建に苦しんでいるオーストラリア代表だが、今年デビューしたばかりのFBイズラエル・フォラウがハットトリックでチームを活気づけた。
南半球国別対抗戦に仲間入りして2年目のアルゼンチン代表は、果敢にチャレンジしたものの、世界のビッグ3から歴史的勝利を奪うのは、来年以降に持ち越しとなった。