法大が快勝発進! 終盤にエンジンがかかり立正大を退ける!
法政大FB犬飼涼二に強烈なタックルをする立正大FB吉澤太一
(撮影:BBM)
関東大学リーグ戦1部が15日、埼玉・熊谷ラグビー場で開幕。昨季4位で今年度から谷崎重幸新監督が就任した法大は、6年ぶりに2部から昇格の立正大を56−12で制する。前半はミスで攻めあぐねたが、次第にペースを掴んだ。
序盤は立正大が存在感を示した。7点ビハインドで迎えた前半19分だ。まずはグラウンド中盤、ビッグタックルで相手の反則を誘う。敵陣22メートル線付近右のラインアウトから中央へ展開すると、一転、SH野田孝宏が左へ球を持ち出す。球を受け継いだFB吉澤太一主将は、粘り腰を活かして守備網を切り裂く。最後はWTB鶴谷知憲副将が右タッチライン際を駆け抜け、スコアを7−5と詰めた。33分には、法大が反則するや速攻を仕掛け、FL小嶋恭士郎がインゴールを割った。グラウンドの横幅を大きく使うのをモットーとするが、FB吉澤主将のロングキックが冴えて陣地の取り合いでも優位に立った。
かたや法大は、前半13、30分と敵陣ゴール前での肉弾戦からFL西内勇人が2つのトライを挙げるも、攻め込んでの落球や守備時の反則でペースを掴みきれなかった。14−12と、何とか2点リードで迎えたハーフタイム。東福岡高を率いて全国高校ラグビー大会3連覇を達成した谷崎監督は、こんなアドバイスをした。
「(立正大に)ゲインラインは越えられていないから慌てる必要はない。丁寧に行き過ぎている分、スピードが出ていない」
エンジンがかかったのは、後半10分過ぎからだった。WTB門間麗、FB犬飼涼二が、的確なチェイスでキック処理に走った相手を右タッチラインの外へ押し出す。そして後半16分、ラインアウトモールの脇から飛び出たFL西内が追加点を挙げる(ゴールも成功し、21−12)。続く19分にも、FL西内が接点脇からの強烈な突破でトライラインを割った(ゴールも決まり、28−12)。
時間が経つほど、法大は鋭い出足のタックルと接点を飛び越えるサポートを機能させる。WTB半井優太の軽快な走りも活かし、終盤も28得点をマークした。逆に立正大はエラーを重ね、反撃はままならなかった。
勝った谷崎監督は「夏合宿での試合から期間が空いていたけど、(後半からようやく)本来の動きが出た。ディフェンスが良かった」と話す。春季大会では試合終盤のガス欠で逆転負けを重ねていただけに、「後半に足が止まるんではなく、スピードが上がって取り切れるようになっている」とチームの成長を認めた。次戦は21日、神奈川・海老名運動公園で行われる。相手は昨季5位の日大だ。
一方、敗れた堀越正己監督は「9点差(後半16分)、16点差(19分)になったとこらへんから、我慢できなくなった。自分たちのルールを守れなくなった。ペナルティが増えたり…。次の試合で同じ反省が出ないように準備していきたい」と振り返った。22日、東京・秩父宮ラグビー場で前年度1位の東海大と対戦する。
(文・向風見也)